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現代的価値を再発見する「挑発する少女小説」など注目の新書5選

「挑発する少女小説」

 工業化によって「男は仕事、女は家庭」という性別役割分業が成立した19世紀に、良妻賢母教育のツールとして生まれた家庭小説。ところが、『若草物語』は異性愛至上主義への抵抗を描き、『赤毛のアン』も「就活小説」と解釈できるなど、現代的な価値が読み取れると文芸批評家はいう。
★斎藤美奈子著 河出新書・946円

『「失われた時を求めて」への招待』

 「紅茶に浸したマドレーヌ」だけは知っているが全編読破には至らず――。そんな人が多いだろう大長編小説について、岩波文庫全14巻の訳者にしてプルースト研究の第一人者である著者が読みどころを丁寧に解説。難解で知られる希代の小説を改めて手に取りたくなる。
★吉川一義著 岩波新書・968円

「なぜ世界を知るべきなのか」

 日本の中高生に向けて、世界の多様な価値観や世界から見た日本の姿を解説し、マララ・ユスフザイさんや周庭さんら社会を動かしてきた若者を紹介する。中学校での授業をまとめた。外の世界に関心を持ち、コロナ禍が収まったら海外に飛び出してほしいと呼びかける。
★池上彰著 小学館YouthBooks・990円

「変貌(へんぼう)する未来」

 フェイスブック、グーグル、アマゾン、アップル、ネットフリックスなど世界14社のCEOらが海外メディアに語った次期戦略をまとめた。新型コロナワクチンをファイザーと共同開発した独のバイオ企業「ビオンテック」創業者夫妻のインタビューも。
★クーリエ・ジャポン編 講談社現代新書・990円

「サボる哲学」

 1980年代以降は、笑いが世界の中心になった「笑う社会」だ。主役はタモリ、ビートたけし、明石家さんま。90年代のダウンタウン台頭を経て、2020年、M―1グランプリの「あれは漫才なのか」論争まで。60年生まれの社会学者が笑いと社会の関係をたどる。
★太田省一著 ちくま新書・968円=朝日新聞2021年8月7日掲載