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「奇想天外の本棚」シリーズ、版元を替え再始動

『九人の偽聖者の密室』(H・H・ホームズ著、白須清美訳)

 作家の山口雅也さんが海外の珍しい文芸作品を選書した「奇想天外の本棚」シリーズが、出版元を国書刊行会に替え、新たに始動した。今月刊行された『九人の偽聖者の密室』(H・H・ホームズ著、白須清美訳)を皮切りに第1期全12巻を予定している。

 『九人~』は「密室派の巨匠」ジョン・ディクスン・カーの「密室講義」のどの分類にも属さない殺人が起きるミステリー。10月刊行予定の『Gストリング殺人事件』(柿沼瑛子訳)は伝説のストリッパー、ジプシー・ローズ・リーが書いたとされる小説だ。ミステリーだけでなく、これまで断片的にしか翻訳紹介されてこなかった古典ホラー『吸血鬼ヴァーニー』などジャンルを超えた「奇想天外」な物語が並ぶ。
 同シリーズは2019年に原書房から3冊を刊行して途絶していた。国書刊行会によると、ラインアップの約半数は本邦初訳。今後は月1冊ペースで刊行予定で、「無事に最後まで出したい」という。(野波健祐)=朝日新聞2022年9月28日掲載