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絵本ナビ編集長おすすめの新刊絵本11冊は…? 「NEXTプラチナブック」(2023年8月選定)

【この記事で紹介する絵本】

かけがえのない穏やかな日々の記憶。『おばあちゃんのにわ』

『おばあちゃんのにわ』(作:ジョーダン・スコット 絵:シドニー・スミス 訳:原田 勝 /偕成社)

ぼくのおばあちゃんは、もとはニワトリ小屋だった家に住んでいる。毎朝ぼくが行くと、おばあちゃんは野菜がたっぷり入った朝食を用意してくれる。ぼくらはあまり喋らない。雨がふると、おばあちゃんはゆっくり歩き、ミミズを探す。土をつめた小さなガラス瓶に入れ、学校が終わると、野菜を育てているおばあちゃんの庭に放つ。ふたりはいつもそうしてた……おばあちゃんがニワトリ小屋を出て、ぼくの家に来るまでは。

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編集長のおすすめポイント

台所の窓から差しこまれる光の美しさ、畑の中で寄りそうように立つふたり、おばあちゃんを見つめるぼくの眼差し。情感あふれるいくつもの印象的な絵から伝わってくるのは、身ぶりや手ぶり、スキンシップや表情など、言葉にたよらずとも気持ちを通い合わせるふたりの空気感。だからこそ、「ぼく」は、おばあちゃんの一番大切にしているものに気づくのでしょう。

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日常と非日常が入り混じる愉快なファンタジー!『おふろそうじ きんぎょたい』

『おふろそうじ きんぎょたい』(作:とみなが まい 絵:山村 浩二 /世界文化社)

おばあちゃんの家にお泊りにきたキミちゃん。「わたし、おふろ あらってあげようか?」あらあらキミちゃん、大丈夫? なにしろ、お風呂そうじなんて初めてです。その時、ポチャン。水の中にきんぎょが、いっぴき、にひき、さんびき、よんひき……最後に黒いデメキン、全部で5匹が現れて、驚くキミちゃんの目の前で、お風呂そうじを始めるのです。

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編集長のおすすめポイント

いつもと同じようで、ちょっと違う日常。元気なはずのおばあちゃんが、困っている。自分ひとりで助けてあげたいけど、自信がない……。そんな時に応援してくれるのは、思いもよらない存在だったりして。ふとした出来事が大冒険になる、そんな絵本の面白さがぎゅっと詰まった一冊です。

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さあさあ、あててみて! 私はどっち?『おどってる こまってる』

『おどってる こまってる』(作:高畠 那生 /フレーベル館)

「わたし おどってます」朝起きたら気分がよくってね、るんるん、片足あげておどっちゃう。お隣さんもおどってる? と思ったら「いえいえ わたしは こまってます!」。耳に水が入って取れないから、片足でとんとん跳ねているんですって。こまってるのに、おどってて、おどってるのに、こまってて。確かに「おどってる」姿も「こまってる」姿も、紙一重。……って、ほんとかな?

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編集長のおすすめポイント

視点を変えてみると、実は意外とあふれているのかもしれない、逆転の世界。そういえば、笑っているつもりなのに、怒っていると言われたり、嬉しくてドキドキしているだけなのに、大丈夫? と聞かれたり。あれあれ、自分も意外とわかりにくかったりして。人を見るときは、もう一歩深く観察してみた方がいいのかもしれませんね。ほら、最後に登場するあの人だって実は!?

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誰かの願いも感情も思い出も。ゆっくり静かに……『ゆうやけにとけていく』

『ゆうやけにとけていく』(作:ザ・キャビンカンパニー /小学館)

広い空の中で、だんだんと沈みゆく太陽。すべてのものを金色に染め、空気がひんやりとし、遠くで優しい音がする。どんな子のところにも、そこここで生きる全ての人のところにも、夕焼けはやってくる。楽しいことも、くやしいことも、悲しい涙やギラギラした汗までも。夕焼けがすべてを包みこみ、とけていく。注目を集める絵本作家ザ・キャビンカンパニーの新境地。

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編集長のおすすめポイント

誰かが笑っている時も、怒っている時も、ふと顔をあげた時や、涙が出ている時も。いつも画面のどこかにいてくれる「おひさま」。その顔をじっくりよく見てみると、ほんのり微笑んでいたり、一緒にふくれっつらをしていたり。さまざまな表情をしていることに気が付きます。自らも沈みながら、そうやって、みんなの感情によりそってくれているのでしょうか。読んでいるだけで、心がおだやかになっていく。この絵本には、そのためのしかけが沢山散りばめられているようです。

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ずっと平和がいい。『わたしは きめた 日本の憲法 最初の話』

『わたしは きめた 日本の憲法 最初の話』(作:白井 明大 絵:阿部 海太 /ほるぷ出版)

わたしは きめた。自由がもたらす恵みをしっかりにぎって、手ばなさないようにすることを。二どと戦争を、ひきおこさないようにすることを。平和をあいすることを。やわらかい言葉の中に凛とした決意の気持ちを感じ、思わず引きこまれていき、するするっと最後まで読んでしまう文章。これは、詩人の白井明大さんが日本国憲法の前文を詩に訳したもの。長く残せる形に、そして子どもたちの手にもわたる形にしたいという思いがつながり、この絵本が誕生しました。

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編集長のおすすめポイント

日本国憲法、その固い言葉の雰囲気だけでも、ちょっとおそれを抱いてしまいそうな言葉です。けれど、その入り口にあるのは、とても分かりやすくシンプルな決意の気持ちです。自分のこととして捉え、理解し、考えていけばいいのだと、絵本は伝えてくれています。子どもの心に届けるのは難しいと思い込んでいたのは、大人の方かもしれません。「わたしは ずっと 平和がいい」、絵本の中の言葉が重く心に刺さります。

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こんな暑い日には、坂道も空へと続くのかもしれない……『そらうみ』

『そらうみ』(作:富安 陽子 絵:はぎの たえこ / 講談社)

あつい、あつい夏の日。市民プールに行くために、ぼくはてくてく坂をのぼる。けれどその道は入道雲の中に続いていて、待っていたのは……白い雲の浜辺と真っ青な空の海だった! そこにいたのは、空のまちの子どもたち。みんなで海に飛びこんで、もぐっていくと、見えてきたのはぼくのまち!?

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編集長のおすすめポイント

こんな暑い日には、不思議な出来事だって本当に起こることがあるかもしれない。子どもたちは絵本を読んでいる間じゅうずっと、空の海を気持ちよく泳ぎまわるのでしょう。そして、いつか大きくなった時。白い日差しの中で坂をのぼりながら、その事をふと思い出すのかもしれません。本当の記憶なのかどうかって? そんなの、どちらでもいいですよね。

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トットちゃんのもうひとつのお話『トットちゃんの 15つぶの だいず』

『トットちゃんの 15つぶの だいず』(文:柏葉 幸子 絵:松本 春野 企画・原案:黒柳 徹子 / 講談社)

戦争をはじめる前、トットちゃんのトモエ学園でのお弁当の時間はとても楽しいものでした。けれど、どんどん食べるものがなくなっていき、朝になるとママは封筒に炒った大豆を15つぶ入れて言うのです。「これがあなたの一日ぶんの食べものよ」。女優の黒柳徹子さんが自身の小学生時代を描き、大ベストセラーとなった『窓ぎわのトットちゃん』。そのもうひとつのおはなしとして『トットちゃんの 15つぶの だいず』が誕生しました。

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編集長のおすすめポイント

かわいくて、活発で、おもしろくて……みんなのイメージの中にある、あの「トットちゃん」。だからこそ、トモエ学園でのびのびと過ごすトットちゃんの一日の食べ物が「だいず15つぶ」だったことに驚いてしまうのです。戦争は、こうして子どもたちの生活にも入り込んできたのだということを、改めて実感せずにはいられません。「戦争ほどおそろしいものはありません。平和でなくてはダメなのです。」黒柳徹子さんのメッセージは、世代を超えて、まっすぐ心にささります。

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登場するのは寝顔だけ! 『ねぞうプロレス』

『ねぞうプロレス』(作:ひらぎ みつえ / 教育画劇)

さあ、やってきました。「ねぞうプロレス」の時間です。今夜はどんなたたかいになるでしょう? 選手は、体の大きなおとうさん、抱っこが得意なおかあさん、そしてすばやい動きのひろくん、もちろんみんなぐっすり寝ています。「ふとん トンネル」に「ミラクル ブリッジ」、「ふんだり けったり キック」! どんどん繰り出されるひろくんの技。このキレッキレの技におとうさんとおかあさんはどう応戦する!?

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編集長のおすすめポイント

ぐっすり寝ている子どもの七変化。たまらなく愛おしいのは、その姿だけではありません。広げた手のひらから伝わってくる体温、乗せられた頭の重さ、ふいうちキックの痛さ、寒さにふるえる寝姿の小ささ、そして、くっついた時のほっぺの柔らかさ。「ああ、そうだった、そうだった」……あの頃のリアルな体感の記憶が蘇ってくるのです。油断すると忘れてしまいそうなくらい、当たり前な日常。絵本の中で再会できる喜びは、また格別ですよね。

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こんなコミュニケーションの形があったなんて! 『ぷっくり ぽっこり』

『ぷっくり ぽっこり』(作:中村 至男 / 偕成社)

手のひらサイズの小さな絵本。開けばおひさまやりんごさんやおにぎりが笑いかけてくれています。おや? 真ん中に小さな穴がありますよ。ためしに指をおしつけてみると……まるでお鼻みたいな「ぷっくり」、「ぽっこり」おかおに大変身。なんだか自分の指じゃないみたい。さわってみればどんな感触?

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編集長のおすすめポイント

「赤ちゃんにとって、絵本ってなんだろう?」そんな疑問に対する、ひとつの答えとして存在しているようなこの絵本。手に取りたくなる大きさ、目に楽しいカラフルな色彩、笑いかけてくれるたくさんの笑顔、不思議な言葉、そして驚きの触感! 夢中になってしまうのも納得です。それはおかあさんやおとうさんにとっても同じです。小さな可愛い指にふれる瞬間の喜びは、何度だって味わいたくなるものです。毎日の絵本時間を楽しんでくださいね。

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きっとこれから何度でも思い出す。『夏』

『夏』(作:あべ 弘士 / ほるぷ出版)

夏休みが明日で終わる。ぼくにはやり残したことがひとつある。神社の森で見たオオヒカゲチョウだ。羽に何かがかいてあった。もう一度見て、たしかめたい……。 記憶の中で生き続ける、大切な風景。絵本作家あべ弘士さんが故郷の旭川で体験した少年時代の出来事をもとに、夏の景色を色鮮やかに描き出した絵本です。

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編集長のおすすめポイント

少年が見たものは、なんだったのか。現実だったのか、幻だったのか。それは本当に見たかったものなのか、それとも思ってもみなかった景色だったのか。私たち読者には確かめるすべもありません。けれど伝わってくるのは、少年に見えているものが少しだけ変化しているということ。夢中になっていた夏が終わったのです。少し寂しくも、心地よい疲労感。私たちはみんな、こうした瞬間を何度も通りすぎていくのかもしれませんね。

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動くことで切り開いてきた、自分たちの物語。『旅するわたしたち On the Move』

『旅するわたしたち On the Move』(作:ロマナ・ロマニーシン、アンドリー・レシヴ 訳:広松 由希子/ ブロンズ新社)

400万年前、2本足で立ちあがり、歩き出してから、私たちは一歩、また一歩、何万年も旅してきた。その目的もさまざま。知らない場所へ、自分だけの道をもとめて。海の底から世界のてっぺんまで、あるいは地球の果てまで。ウクライナの作家による、万物の移動を描いた絵本。「動く」ことをテーマに、壮大なスケールの物語を美しいビジュアルで見せてくれます。

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編集長のおすすめポイント

数年前までは、自分たちの行動や移動を制限されるなんて、想像すらしていなかったはず。けれど、その不自由さに触れて、はじめて自分たちは常に移動している生き物なのだということに気が付かされるのです。自分は何かに動かされているのか、あるいは自分で動こうとしているのか。もしかしたら、この当たり前の毎日だって、どこかに向かっている旅の途中なのかもしれないし、明日になれば、突然向かう方向が変わることだって、あるかもしれない。図鑑のように解説されるこの美しい絵本を読みながら、今いる自分の場所のことを思うのです。

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絵本ナビ編集長がおすすめする「NEXTプラチナブック11選」はいかがでしたでしょうか。対象年齢も、あつかっているテーマもさまざま。気になった絵本があったら、ぜひ手にとってみてくださいね。絵本ナビ「プラチナブック」連載ページへ

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