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ミステリー小説の結末が読めない 図書館の40冊、相次いで破られる

100ページ以上が破り取られた本=2023年11月16日午後3時44分、高松市中央図書館、和田翔太撮影

 高松市中央図書館の蔵書が破り取られる被害が相次いでいる。東野圭吾さんや湊かなえさんら人気作家の小説など約40冊で、全体の3割に当たる140ページほどがごっそりと破られていたものもあった。同館は器物損壊容疑で、県警に被害届の提出を検討している。

 被害は昨春から確認され、手で破られたような形跡がある。ミステリー小説の結末が読めなくなった本もあり、桐野夏生さんが震災を題材に書いた「バラカ」(2016年)は最後6ページが破り取られていた。湊かなえさんの短編集「ポイズンドーター・ホーリーマザー」(16年)も巻末数ページが破り取られていた。

 同館は今年7月から館内に警告する貼り紙を掲示するほか、職員の巡回を増やすなど対策をしているが、被害は現在も続いている。利用者から本が返却された際に損傷は確認されていないため、館内で破られた可能性が高いという。館内には防犯カメラを複数設置しているが、破られた場面は確認できていない。

 損傷した本は修復できず、被害額は計7万円超に上るという。分館の「瓦町サテライト」でも、同様の被害が確認されている。

 22日の定例会見で大西秀人市長は「市の共有財産を破損させることは文化活動を阻害させることで、極めて遺憾で残念なことだ」と述べた。

(和田翔太)朝日新聞デジタル2023年11月23日掲載