将棋の藤井聡太名人・竜王(21)=王位・叡王・王座・棋王・王将・棋聖と合わせ八冠=が15日、東京都千代田区で開かれた第5回野間出版文化賞(野間文化財団主催)の贈呈式に出席した。同賞を受賞した俳優の芦田愛菜さん(19)、俳優の黒柳徹子さん(90)らと共に、受賞者としてあいさつした。
藤井八冠はあいさつの中で、将棋を観戦する人が増えたことに加え、対局者のバックグラウンドや食事などに注目が集まって将棋関連書籍が多く出版されたことに触れ、「将棋をより深く多角的に楽しむことに寄与しているのはもちろん、将棋の世界そのものをより豊かにしている」と指摘。「『棋は対話なり』という言葉があるが、将棋は勝負である一方、対局者同士のコミュニケーションでもあると思っている。今後も出版を通して、将棋の様々な魅力を伝えていただければうれしい。私自身も盤上で魅力あるストーリーが表現できるよう努めたい」と述べた。
(村瀬信也)朝日新聞デジタル2023年12月15日掲載