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まるみキッチンさんが「やる気1%ごはん」で史上初の快挙!「第11回 料理レシピ本大賞 in Japan」授賞式レポート

 「一般の人が作りやすいか」「おいしさや健康などのさまざまな面で日本の食文化に貢献しうるか」という点を重視して、全国の書店員からなる「書店選考委員」208名と料理専門家である「特別選考委員」が受賞作を選考しました。エントリーされた全112作品から選ばれしレシピ本は、以下のとおりです。

「第11回 料理レシピ本大賞 in Japan」受賞作品

■料理部門

【大賞】

【準大賞】

【入賞】

■お菓子部門

【大賞】

【準大賞】

■ジャンル賞

【こどもの本賞】

【エッセイ賞】

【コミック賞】

■特別部門

【プロの選んだレシピ賞】

【ニュースなレシピ賞】

史上初の2年連続大賞受賞!

 「料理部門」の大賞は、SNSで人気の料理家・まるみキッチンさんの『弁当にも使える やる気1%ごはん作りおき』(KADOKAWA)。同シリーズ1作目で前回の大賞を受賞しており、2年連続での大賞受賞は史上初の快挙です。本書は、夕飯のついでにまとめて作れる常備菜500品のレシピを収録。日々の食事はもちろん、お弁当や晩酌にも使える、便利なレシピ本になっています。

アンバサダーの天野ひろゆきさんと、まるみキッチンさん(右)

 2年連続の大賞受賞に満面の笑みでガッツポーズを見せた、まるみキッチンさん。「本のタイトルにもあるように、料理のやる気が1%の人たちでも簡単に作れるよう、これからも料理のハードルを少しでも下げられるように尽力していきたいです」と力強く語りました。

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材料は4つまで。お菓子作りを手軽に楽しんで

 「お菓子部門」大賞には、SNSフォロワー数が275万人を超えるsyun cookingさん初のレシピ本『常識やぶりのアイデアおやつ』(大和書房)が選ばれました。「材料4つまで」という制限で美味しく作れるレシピを紹介する、お菓子作りの常識をやぶる一冊です。SNSで大バズりした「濃厚レアチーズケーキ」をはじめ、焼き菓子や和菓子にドリンクと、幅広い100品ものレシピが収録されています。

syun cookingさん

 世相や時代を反映したニュース性のあるレシピ本に贈る「ニュースなレシピ賞」とのダブル受賞となった本書。syun cookingさんは、「まさかダブル受賞できるとは思っていなかったので、とても驚いています。SNSでお菓子作りを発信していく中で、市販のヨーグルトやアイスクリームを使うことで、簡単な工程と低価格でお菓子を作れることに気づきました。近年の物価高騰が続く中でも子どもから大人までお菓子作りを楽しんでいただきたいと思っていたので、今回レシピ本という形でたくさんの方に届けることができたことを大変うれしく思っています」と、受賞の喜びを語りました。

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悪魔リュウジ、現る

 料理部門の準大賞は、『リュウジ式 悪魔のレシピ2』(ライツ社)が受賞。第7回料理レシピ本大賞(2020年)で料理部門大賞を受賞したレシピ本の第2弾です。「悪魔的においしいのにとんでもなく実用的」なレシピを目指したという本書。意外にも、掲載されている116品中、半数以上が低糖質レシピだというから驚きです。

 受賞作のタイトルにちなんで悪魔メイクで登場したリュウジさん。「『こんな作り方するの?』という、裏技的な驚きや面白さの詰まったレシピ本になっています。味としては、かなりやみつき味。私、悪魔の虜になってしまうようなレシピが満載です。私に魂を奪われたような感覚になるレシピの数々、ぜひ作っていただきたいです」と、悪魔らしいコメントで会場を盛り上げました。

悪魔メイクをしたリュウジさん

 もはや料理レシピ本大賞の常連といえるリュウジさんは、『料理研究家のくせに「味の素」を使うのですか?』(河出書房新社)で「ニュースなレシピ賞」も受賞。「味の素」を広めていると「悪魔崇拝者」と呼ばれたこともあると振り返り、「過去に料理レシピ本大賞に入賞した『やみつきバズレシピ』で味の素を使ったことでいろんな物議を醸しましたが、味の素って決して怖いものじゃないんです。味の好みとかは置いておいて、味の素が本当はどういうものなのかを正しく知ってもらいたくて、この本を作りました」と本書への思いを語りました。

>>「料理が教えてくれたこと」リュウジさんインタビュー

>>『虚無レシピ』から、ナポリタンと天津飯のレシピを紹介

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体にやさしい、おやつレシピ

 お菓子部門の準大賞に選ばれたのは、『体にいいおやつ』(Gakken)と『ふつうの材料だけで作る お店みたいなスイーツレシピ』(KADOKAWA)の2作でした。

 『体にいいおやつ』は、SNSで米粉を使ったおやつレシピを発信してきた、ねぎちゃんさん初のレシピ本です。

ねぎちゃんさん

 「私は元々お菓子作りが好きだったのですが、出産してお菓子作りの時間を作ることが難しくなってしまいました。でも、体にやさしいものを子どもに食べさせてあげたいなという気持ちもあり、そんなところから生まれたのが『体にいいおやつ』のレシピでした」と、ねぎちゃんさん。小麦粉・砂糖を使わずに、グルテンや糖質を抑えたやさしい味わいのおやつレシピは、ほとんどが1ボウルでできるという手軽さも魅力の一つです。

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おうちでお店みたいなスイーツを再現

 『ふつうの材料だけで作る お店みたいなスイーツレシピ』は、現役パティシエmegu'caféさんの初レシピ本。スーパーで調達できる身近な材料だけで特別な道具も不要と、思い立ったらすぐにできるレシピなのに、見た目も味もお店みたいに仕上がると人気です。

megu'cafeさん

 「工程や材料が少なくて簡単で美味しいことは大前提とした上で、『お店みたいなスイーツレシピ』と名乗っているだけに、かわいい出来ばえやクオリティを重視して作りました。今後もたくさんの人に愛される本になればうれしいです」(megu'caféさん)

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正しい冷凍術で食卓に笑顔を

 料理部門入賞となったのは、『ニチレイフーズの広報さんに教わる 冷凍作りおきレシピ、これが正解です!』(KADOKAWA)、『23時のおつまみ研究所』(ポプラ社)、『手軽 あっさり 毎日食べたい あたらしい家中華』(マガジンハウス)の3作。

 『ニチレイフーズの広報さんに教わる 冷凍作りおきレシピ、これが正解です!』は、その名のとおり、冷凍食品のパイオニアあるニチレイフーズが食材の正しい冷凍・解凍方法を余すことなく伝授してくれる一冊です。

株式会社ニチレイフーズの笹嶺舞依子さん

 「この食材はどうやって冷凍したらいいのか、どのくらい保存できるのか、どうしたら美味しく食べられるのかなど、食品の冷凍に関して迷うことがあったらぜひ本書をめくっていただきたいです。忙しい毎日の中、冷凍術をうまく使っていただくことで、みなさんが笑顔で食卓を囲むお手伝いができればとの思いを込めて制作しました」(株式会社ニチレイフーズ 笹嶺舞依子さん)

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おつまみを徹底研究

 『23時のおつまみ研究所』は、お酒を愛する料理研究家の小田真規子さんが「香り」「食感」「塩気」「うま味」「温度」「刺激」という6つの軸でおつまみを研究しつくしたレシピを収録。人気漫画家スケラッコさんによるマンガとイラストがたっぷりのストーリー仕立てになっていて、読み物としても楽しめます。

小田真規子さん

 居酒屋の女将のような装いで登場した小田さんは、受賞の喜びとともに「これからも『おつまみ研究所』ならではの視点で、楽しい料理、ちょっとおもしろい料理の研究を続けて参りたいと思います」と、今後の抱負を語りました。

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中華料理のイメージを刷新

 『手軽 あっさり 毎日食べたい あたらしい家中華』は、noteマガジン「おうちで中華」で人気の中華料理愛好家・酒徒さんによる初のレシピ本です。

 ブタのマスクを被りチャイナシャツを身にまとって登場した酒徒さんは、初のレシピ本が「プロの選んだレシピ賞」とのダブル受賞となり、驚きながらも「盆と正月がいっぺんに来たような喜び」とコメント。

酒徒さん

 「この本は僕が中国に駐在していたときに食べて好きだった料理を何とか再現できないものかと、家で作っていた備忘録的なレシピがもとになっています。掲載するレシピ選びで悩んでいたときに、編集者さんから『日本では中華料理というと難しい、面倒くさそう、いろんな調味料がいりそう、油っぽいといったイメージが強い』と聞いて、長く中国にいた私としてはむしろ『逆』だと思いました。中華料理の種類は星の数ほどあって、中には難しいものもあるし、複雑な工程や調味料がたくさんいるものもあるんですけれども、それと同じぐらい、素人でも簡単に作れて、あっさり味で毎日食べても胃がもたれないような料理もたくさんあるよと思い、この本ではそうした料理を集めてみました。日本においては全然馴染みがないものばかりで、正直、料理名も中国語ばかりが並んで変わった本だと思うんですが、そういう本を多くの方が受け入れてくださったことに大きな喜びをおぼえています」と、本書に込めた思いが多くの人に届いたことを心から喜んでいました。

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料理の楽しさ、あたたかさをさまざまな形で伝える料理本

 ジャンル賞の受賞作は、こどもの本賞に『とびきりおいしい おうちごはん』(小学館クリエイティブ)、エッセイ賞に『世界の朝ごはん』(パイ インターナショナル)、コミック賞に『パンが焦げてもふたりなら』(オレンジページ)が選ばれました。

 こどもの本賞を受賞した『とびきりおいしい おうちごはん』は、料理家の野村友里さんが手がけた子どものための料理本です。唐揚げやオムライス、ハンバーグなどの基本の料理をはじめ、出汁や手作りウスターソースなど、約40のレシピを子どもが作れるようにアレンジして収録。レシピだけにとどまらず、食の大切さや命をいただく大切さについても絵本仕立てで紹介しています。

野村友里さん(右)

 「子どもが対象の本だったんですけども、裏を返せば『未来』なのかなという印象があります。たくさんの方から反響をいただいたんですが、お子さんと一緒に作っているという親御さん、一人暮らしを始めた方、いろんな方が「子ども=新鮮さ」という気持ちを持って料理の楽しさに気づいていただけたのかなと思います。今回の一つの挑戦が、作り方の工程をすべて手描きの絵にしたことです。絵の手触り感やあたたかさ、創造性というところが料理と重なって、うまく人の気持ちに刺さったのかなと思います」(野村さん)

 エッセイ賞の『世界の朝ごはん 66カ国の伝統メニュー』は、世界各地の朝ごはんを提供するカフェレストラン「WORLD BREAKFAST ALLDAY」が監修し、世界66カ国の伝統的な朝ごはん167種を美しい写真で紹介する一冊。見ているだけで旅をしているかのような気分が味わえます。

 コミック賞の『パンが焦げてもふたりなら』は、人気作家のたなさんによる、心あたたまる物語。気づかい屋のはーさん、楽天家のひーさんがキッチンで繰り広げる、ささやかなやりとりに共感する人が続出しています。

 本作が初めての連載作品だったというたなさんは、「当時はとにかく手探りで必死に描いていたため、こんなに素敵な賞をいただけるとは夢にも思いませんでした。とても光栄で本当にうれしいです。作品に関わりご尽力くださったみなさま、作品を読み応援してくださったみなさま、本当にありがとうございました」と、感謝のメッセージを寄せました。

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規格外な料理本の数々

 すべての受賞作の表彰を終えると、アンバサダーの天野さんは「定番の料理本というよりも、ちょっと常識破りな、今までにないパターンのものが多かったように思います。いつも思うのですが、今回もニチレイさんの冷凍術を筆頭に、本当に受賞作の幅が広くて、料理レシピ本大賞の懐の深さに感激しております」と振り返りました。

 今回も個性豊かなレシピ本の数々がそろった「料理レシピ本大賞 in Japan」。受賞作品を集めた「料理レシピ本大賞入賞フェア」が全国の書店で開催中です。ぜひこの機会に、気になるレシピ本を手に取ってみてください。