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風太郎の「明治もの」はなぜ面白いか

幻影の明治 名もなき人びとの肖像 著者:渡辺 京二 出版社:平凡社 ジャンル:小説・文学

価格:2376円
ISBN: 9784582836547
発売⽇: 2014/03/14
サイズ: 20cm/213p

歴史の谷間から浮かび上がるもうひとつの近代とは。時代の底辺を直視した山田風太郎の史眼を手がかりに、変革期を生き抜いた人びとの挫折と夢の物語を語り直し、現代を逆照射する日本…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2014年05月18日

幻影の明治―名もなき人びとの肖像 [著]渡辺京二

 実在の人物と虚構の人物が絶妙に絡み合う山田風太郎の「明治もの」はなぜ面白いか。「筋立て上無用の人物がひょっこり顔を出す」などいくつか挙げた上で、著者は風太郎の「カメラのロー・アングルぶり」を指摘する。対照的に、司馬遼太郎『坂の上の雲』の、徳川期の蓄積を無視するような歴史観に疑問を呈す。人びとが一つの国家にいや応なく包摂されるようになった明治という時代を扱った文章、講演など、媒体も時期も異なる論考を集めているが、一本の筋が通るのは、著者のカメラも「ロー・アングル」だからだ。自由民権運動や士族の乱など、旧来的な学説と異なる視点から、人びとが生き生きと動くさまが見えてくるようだ。

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 (平凡社・2376円)