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新書ピックアップ(朝日新聞2018年6月16日掲載)

『ルポ 保育格差』

 入る保育所によって保育の質は大きく異なる。その実態が、これでもかと記される。泣く子どもを隔離したり、目の前で「嫌い」と言い放ったりと、保育士により日常的に繰り返される虐待。待機児童解消のために保育所が急ピッチで作られ保育士不足である一方、規制緩和により人件費が削られブラック職場に。それでも、「子どもの最善の利益」を守る保育所はある。このギャップを埋めるために今何が必要かを考える。
★小林美希著、岩波新書・907円

『発達障害と少年犯罪』

 先天的な原因のある発達障害に虐待などの要因が加わると犯罪に結びつく可能性があると問題提起して賛否両論を巻き起こした番組「障害プラスα~自閉症スペクトラムと少年事件の間に~」。それは、ディレクターである著者自身の幼少期の疑問を探求する旅でもあった。加害当事者や関係者、専門家への取材から、その因果関係と支援策を探る。
★田淵俊彦・NNNドキュメント取材班著、新潮新書・864円

『「発達障害」と言いたがる人たち』

 世間の注目が高まる中で、著者の診察室には、部屋が片づけられないなどの理由で発達障害を疑い、しかもその診断を期待する人が増えている、という。「障害のせい」と思い込みたい人たちはなぜ増えているのか。診断分類がなお流動的な状況や精神医療が抱える問題、グレーゾーンの人々をターゲットにしたビジネスの実態など、発達障害を取り巻く社会状況を考察する。
★香山リカ著、SB新書・864円

『自分史のすすめ』

 人々の関心を集め続ける自分史。高齢者の「終活」だけでなく、学生が自分を見つめ直す機会や、東日本大震災の被災者の「心の復興」など、取り組みが広がる。ただ、人に伝わる文章を書くには、構成のもととなる準備メモや「文章術」が必要だ。ジャーナリストの著者が自分史の現状を紹介しつつ、プロの視点からコツを指南する。
★小池新著、平凡社新書・842円