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本作り楽しむ小出版社の「熱」

計画と無計画のあいだ 「自由が丘のほがらかな出版社」の話 著者:三島 邦弘 出版社:河出書房新社 ジャンル:本・読書・出版・全集

価格:1620円
ISBN: 9784309020709
発売⽇:
サイズ: 19cm/258p

「まっすぐ」だから、「奇跡」はおこった−。一冊入魂、原点回帰の出版社として各界から熱い注目を浴びるミシマ社の代表が、たった1人の起業から5年目での「発見」までをつづる。【…

評者:中島岳志 / 朝⽇新聞掲載:2011年11月20日

計画と無計画のあいだ―「自由が丘のほがらかな出版社」の話 [著]三島邦弘

 東京・自由が丘にある築50年の小さな民家。ここにミシマ社がある。取次店を通さず、直接、書店に卸し、手作りのPOPで売り出す。社員数人の小出版社ながら、オリジナリティーの高い話題の本を次々に出版している。
 著者はミシマ社代表。二度の出版社勤務を経て、独立した。社内はすべて畳敷き。会議はちゃぶ台を囲んで行われる。正午から3時間は、パソコンオフタイム。月曜日の朝、みんなで掃除をし、席替えをする。時には宿を決めずに社員一同、合宿に出かける。著者は「野生感覚」を大切にし、「原点回帰」を目指す。
 ミシマ社のモットーは「一冊の力を信じること」。読者対象はあえて想定しない。書き手と編集者の「熱」をこぼさずに、どうやって読者の手に届けるかを、徹底的に工夫する。とにかく本を作ることを楽しんでいる出版社だ。その姿勢が、柔軟なアイデアにつながっているのだろう。「原点」を大切にすることの重要さを教えてくれる一冊。
    ◇
 河出書房新社・1575円