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帚木蓬生さん小説が販売中止 実在人物が作中で死亡「抗議あった」 

作家で精神科医の帚木蓬生さん=2025年1月30日午後1時44分、福岡県中間市、小宮路勝撮影

 講談社は29日、作家の帚木(ははきぎ)蓬生さんの歴史小説「少弐―民に捧げた三百六十年―」の販売を中止し、書店に対し店頭在庫の返品対応を依頼したと発表した。同社によると販売中止は27日付。理由について「編集上の都合」としている。

 鎌倉時代初期から戦国時代まで北部九州に君臨した名家の盛衰を描いた歴史小説で、2025年10月に刊行していた。帚木さんは29日、朝日新聞の取材に対し、実在する専門家を許諾を得ずに実名で作中に登場させ、新型コロナウイルスで死亡した設定にしたことで相手方から抗議を受けていたことを明らかにした。この専門家とは面識はないという。帚木さんは「(専門家の)本を読んだだけの読者だが、『太宰府研究のレジェンド』として尊敬しており、リスペクトを込めて実名を使った」などと話している。

 帚木さんは「逃亡」で柴田錬三郎賞、「蠅(ハエ)の帝国」「蛍の航跡」で日本医療小説大賞を受賞している。

(河村能宏)朝日新聞デジタル2026年04月29日掲載