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観光の側面から新たな光

紀元二千六百年 消費と観光のナショナリズム (朝日選書) 著者:ケネス・ルオフ 出版社:朝日新聞出版 ジャンル:新書・選書・ブックレット

価格:1620円
ISBN: 9784022599728
発売⽇:
サイズ: 19cm/303,49,8p

聖地巡り、朝鮮旅行、百貨店催事…。「紀元二千六百年」の時期、日本全土にわたる消費と観光を支えたのは近代ナショナリズムだった。「暗い谷間」と呼ばれた戦時のイメージを一新し、…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年02月20日

紀元二千六百年―消費と観光のナショナリズム [著]ケネス・ルオフ

 「紀元二千六百年」とは、神武天皇による建国からちょうど2600年とされた1940(昭和15)年のことだ。大日本帝国では、万世一系をたたえる記念行事が多く催された。著者は「人々は国史をまとめた物語に夢中になり、定時の大衆儀礼に参加し、愛国的な歌詞や作文をものし、愛国的な展覧会を見に行き、史跡を訪れていた」と書き、観光ブームにわいた事実を明らかにしていく。「印刷メディアや百貨店、鉄道会社といった非政府機関の働きかけも大きかった」という。暗い時代だったと思われがちなこの年に、観光の側面から新たな光をあてた貴重な論考だ。(木村剛久訳、朝日選書・1575円)