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大きな視野、持つ雑誌に 遺志継ぐ「兜太 TOTA」創刊

金子兜太さん

 今年2月に98歳で亡くなった俳人・金子兜太さんの名を冠した新雑誌「兜太 TOTA」が25日、藤原書店から創刊される。8月24日に東京都内で開かれた記者会見で、編集長を務める俳人の筑紫磐井(つくしばんせい)さんは「兜太さんが日頃から志していたように、広い顔ぶれの人たちに参加してもらい、大きな視野を持つ開かれた雑誌に育てたい」と思いを語った。
 新雑誌の企画がたちあがったのは昨年のこと。金子さん自身も参加して構想が練られていたが、2月に急逝。筑紫さんらが遺志を継ぎ、準備を続けてきた。金子さんは「名誉顧問」として名を連ねる。
 刊行は年2回。創刊号の特集は、金子さんの生年にちなんだ「一九一九 私が俳句」。稲畑汀子さん、大串章さんら12人の追悼句を掲載する。俳人の長谷川櫂さんや夏井いつきさん、高山れおなさんのほか、生前の金子さんと親交のあった佐佐木幸綱さん、澤地久枝さんらも寄稿。金子さんの生前の未公開インタビューも収録されている。編集主幹は俳人で、晩年の金子さんの戦争体験の「聞き手」役を務めてきた黒田杏子(ももこ)さん。
 創刊日の25日午後0時半から記念シンポジウム「兜太を語り TOTAと生きる」が開かれる。黒田さんがコーディネーターで上野千鶴子さん、いとうせいこうさんらが参加する。会場は東京都千代田区の有楽町朝日ホール。前売り券1500円(当日券2千円)。問い合わせは藤原書店(03・5272・0301)。(樋口大二)=朝日新聞2018年9月12日掲載