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「クレヨンで描いた おいしい魚図鑑」 今日のごはんは魚料理に決まり!

 食欲の秋。図鑑にだって、こんなにおいしそうなものがあるんです。

 「クレヨンで描いた おいしい魚図鑑」は、ふつうの魚図鑑とは目の付け所が一風変わっています。クレヨン画で知られる加藤休ミさんが、魚そのものではなく、魚が調理され、食卓にのぼる姿を描いた一冊。さんまの塩焼きや金目鯛の煮付けなど、食欲をそそる絵が並びます。そのリアルさは、とてもクレヨンで描いたとは思えないほどです。

 「図鑑」と銘打つからには、学名や英語名、紹介する魚や魚料理についての豆知識なども掲載。加藤さんが絵を描きながら心の中でさけんだ言葉もあわせて紹介されています。その言葉には魚への愛情がたっぷり。時にはユーモアあふれる言葉で、思わずクスッとしてしまいます。
 他にも、私たちの食卓に届くまでを「魚の一生」としてたどってみたり、街中で魚に出会える「魚の生息地」マップをつくってみたりと、加藤さんならではの“魚観”が楽しめるのも本書の面白いところ。

「クレヨンで描いたおいしい魚図鑑」(晶文社)より
「クレヨンで描いたおいしい魚図鑑」(晶文社)より

 「大人にも子どもにも、もっと魚を楽しんでほしい」という思いから生まれたこの図鑑。そのねらいどおり、ひとたびページをめくれば、無性に魚料理が食べたくなること必至です。