『美しい実験図鑑 世界でいちばん美しい34の実験たち』
カラフルな炎を出す炎色反応の実験や水の流れが見えるレオスコピック液の実験など、目にも楽しい34の実験を、化学、物理・地学、生物の3つのジャンルに分類して紹介しています。実験のポイントや手順を写真付きで(中には動画があるものも)わかりやすく解説しているので、初めての実験でも失敗することはないはずです。
著者は鉱物標本などを販売するネットショップ「きらら舎」のオーナーで、鉱物に関するさまざまな著作でも知られる、さとうかよこさん。ネットショップだけでなく、理科の実験や工作のワークショップを開催するカフェも運営し、夏休みには自由研究のサポートも行っています。本書に収録されている実験について、わからないことなどがあればWEBサイトから質問も受け付けているそう。子どもたちの好奇心のドアを開けるお手伝いをしてくれる一冊です。
『地理がわかれば世界がわかる! すごすぎる地理の図鑑』
「地理」というと地名や地図を覚えるイメージが強いですが、本書では「地理は地域についての謎解き、地域の冒険」であるとし、地理にまつわる72のさまざまなトピックスを紹介しています。
例えば、川端康成の『雪国』冒頭の有名な一節、「国境の長いトンネルを抜けると雪国であった」も地理的に検証しています。このトンネルのモデルとなったのは、群馬県と新潟県をつなぐ清水トンネル。冬になると、この場所にある三国山脈にシベリアからの冷たい北西風がぶつかって新潟県側に大雪が降り、水分を失った空気が「からっ風」となって群馬県側に吹き降りるため、トンネルの入口と出口でまったく違う光景が見られるのだそうです。
ほかにも食べ物や観光地など身近な話題を中心に、想像以上に奥深い地理の面白さを教えてくれます。地理のことが少しでもわかると、見えてくる世界も変わってくるはずです。
『天気も宇宙も! まるわかり空の図鑑』
日本の空で起こるさまざまな気象現象や天体現象を写真とイラストを交えて紹介。春夏秋冬それぞれの空で見られるもののほか、季節に関係なく1年を通して見られる空の現象を取り上げ、その仕組みや観察のコツを解説しています。気象予報士で空の写真家でもある著者・武田康男さんが長年にわたって撮影してきた、貴重な空の写真も見どころの一つです。
夏の空で観察できる現象としては、天気予報でもよく耳にするようになった「線状降水帯」や「夏の大三角形」をはじめとする夏の星座を解説。昼は雲、夜は星を観察しに空を見上げてみては? 都内の空は高い建物に囲まれて空がよく見える場所は少ないものの、武田さんお気に入りの空の展望地も紹介してくれています。空の観察のお供にぴったりの一冊です。
『飼えたらすごい生きもの図鑑 家で飼ったら、どうなる?』
ペットとしておなじみのイヌやネコから、ハリネズミやフェレットなどのエキゾチックアニマルまで、60超の生きものが登場。食事や寿命、大きさなどの基本情報をはじめ、生きものの生態や特徴、飼う前に知っておきたいポイントがまとめられています。パンダやクジラ、恐竜など、実際には飼えない生きものを飼ったらどうなるか、シミュレーションして紹介するコーナーも。生きものを飼うことはどういうことか、生きものたちの大切な命を守ることについても教えてくれるので、ペットを飼う前に親子で読んでみるのもおすすめです。
本書で気になる生きものの生態を学んだら、動物園や水族館に実物を観察しに行くのもよいでしょう。アリやダンゴムシ、カブトムシなどの身近な昆虫を採ってきて観察するのもよし。中でも自由研究におすすめなのは、セミの幼虫の羽化の観察。羽化直後は半透明で乳白色だった羽根が徐々に茶色くなっていく様子はとても神秘的です。