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「ドナルド・トランプの危険な兆候」書評 大統領にふさわしい人物なのか

評者: 長谷川眞理子 / 朝⽇新聞掲載:2019年01月26日
ドナルド・トランプの危険な兆候 精神科医たちは敢えて告発する 著者:村松太郎 出版社:岩波書店 ジャンル:社会・時事

ISBN: 9784000613019
発売⽇: 2018/10/25
サイズ: 19cm/353,21p

ドナルド・トランプの危険な兆候 精神科医たちは敢えて告発する [著]バンディ・リー

 ドナルド・トランプとはどんな人物か? 精神科医が、テレビなどに映った映像だけからその人の人格や精神状態を推測することは禁じられている。そして、トランプ氏は精神科医の診断を受けてはいない。
 でも、彼は本当にアメリカ大統領という職を任すにふさわしい人物か? 就任以来、彼が示した行動(何人のスタッフが交代したことか)、インタビューやツイッターでの発言、テレビの記者会見の映像など、彼の性格を示す材料は山ほどある。それらを精神科医が精査して分析すれば、何か提言できるのではないか?
 本書は、トランプ氏のこれまでの言動に危機感をいだいた精神科医たちが、本人との面談なしには診断しないという慣例をあえて破り、彼は核のボタンを握る大統領として不適格であると公言した書物である。彼を大統領に選ぶ人たちもいれば、こういう書物も出るのがアメリカ。どの国の大統領も首相も精神鑑定を受けるべき、という提案でもある。これ、とばっちり?