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「人は見かけが一番」は本当か

評者: 出口治明 / 朝⽇新聞掲載:2019年02月23日
第一印象の科学 なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか? 著者:アレクサンダー・トドロフ 出版社:みすず書房 ジャンル:哲学・思想・宗教・心理

ISBN: 9784622087625
発売⽇: 2019/01/17
サイズ: 20cm/334,59p

第一印象の科学 なぜヒトは顔に惑わされてしまうのか?[著]アレクサンダー・トドロフ

 「人は見かけが一番」といった言葉をよく耳にする。これは本当だろうか。本書は、いかにして人は世界で一番面白い地図(顔)を作り出すかについて縦横に語ったものである。
 かつては観相学なる学問があったそうだが顔の要素はまず目だと誰もが考える。しかし、感情の表現には眉の方が重要で眉と口の組み合わせが顔の認知には役立つ。顔から受ける印象の最も重要な要素は信頼性と支配性。デジタル操作で印象は簡単に変わる。第一印象が正確だというエビデンスは、「偶然よりまし」というレベルで正確さの測定基準としては低すぎる。
 なぜ人は顔に惑わされてしまうのか。人類の進化を24時間で表すと大きな社会でヒトが暮らした時間は5分。それまでは性格を推論するのに見かけに頼る必要はなかった。見かけへの依存は最後の5分間で出現したのだ。成績より面談を重視するわが国企業の採用担当者に読ませたい本だ。