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壺井栄『二十四の瞳』のウドンを動画で味わう

「あつういウドン」を食べる 壺井栄『二十四の瞳』

 「あの小説をたべたい」は、好書好日編集部が小説に登場するごはんやおやつを料理し、食べることで、その物語のエッセンスを取り込み、小説の世界観を皆さんと共有する記録です。

 今回は、壺井栄『二十四の瞳』を味わいます。

 瀬戸内海べりの小さな村の分教場に赴任した新米教師の大石久子先生。個性豊かな12人の教え子たちと絆を深めていくものの、戦争という巨大な渦に巻き込まれ、運命に翻弄されます。戦争が庶民にもたらした悲しみや苦しみを描いた作品です。 

「あつういウドン」を食べる

 大石先生と子どもたちは、六年生の秋の修学旅行で金毘羅参りへ。お参り中もぞくりと震えてしまうほど具合がよろしくない大石先生は、同僚の田村先生から「あおい顔」と指摘されます。

「さっきから清涼丹をのんでますけど。」といいさして思わずふっと笑い、 「清涼でないほうがいいのね。あつういウドンでも食べると……。」 「そうよ。おつきあいするわ。」

 関西方面では昔から風邪のひき始めには、熱々のうどんがいいと言われていたようです。そんなこともあって、明治の頃からうどん屋さんに風邪薬も置かれていたといいます。面白いことに、関東ではそば屋に風邪薬が置かれていたのだとか。

「大石先生、うどんや風ぐすりというのがあるでしょ、あれもらったら?」

 滋養たっぷりのうどんにするべく、ネギと椎茸の卵とじうどんをつくってみました。梅干しをのせると、食欲も出てきます。うどんを食べると体もしっかり温まるので、薬を飲んでぐっすり寝てしまえば、軽い風邪の一つや二つ、吹っ飛びそうです。

 梅雨に入って少しでも体調がおかしいぞと思ったら、ぜひ「あつういウドン」をお試しあれ。