文庫を読む人、どんな人?
1位は、「でしょうね」としか言いようがないですが、2位以下は褒められているような、遠巻きに見られているような……。
文庫、買ってますか?
「読む時間がない」は特に30~40代に顕著です。仕事が忙しくなる世代ですし、本以外に時間を使うコンテンツも増えています。私自身、本のサイトの編集長という立場上、新刊の単行本を優先して読むことが多く、文庫を読む時間は減りました。ただ、近年は「いきなり文庫」になるミステリー作品も多く、油断できません。加えて、過去の名短編のアンソロジーや、海外の古典の新翻訳(クイーンやカーですね)が次々と刊行され、文庫購入数だけでいえば、5年前より増えているかもしれません。
一方、60代以上に顕著な理由が、「図書館で読む」「収納に困る」。節約の意味もあるのでしょうが、確かに人生の後半にさしかかると、物をため込むことをためらってしまいますね。いつ読めるかわからない本が本棚(の前のスペース)に積み重なるのを見るたびに、そう思います……。一つの解決は電子書籍ですが、こんな調査結果もあります。
紙の本か電子書籍か
共感するのは「目が疲れない」。バックライトもある電子書籍リーダーは、暗くても読めるし、文字の大きさも変えられる。パソコンやスマホよりはよほど目に優しいはずなのですが、リアルな本のほうが、目は疲れません。気のせいでしょうか。
確かに収納場所の問題は電子書籍で解決できます。私も、ときおり無性に読みたくなる角川文庫の横溝正史シリーズは電子書籍で買うようにしています(単行本でいい選集が出ていることもありますし)。ただ、創元推理文庫の「日本探偵小説全集」(全12巻)のように、背表紙を眺めているだけでときめく装丁の本もあり、ばっさり処分とはいかないものです。
(「好書好日」編集長・野波健祐)
アンケート内容
朝日新聞社が新聞広告共通調査プラットフォーム「J-MONITOR」を使い、それぞれ調査。首都圏の15~69歳の男女300人が対象。有効回答は436人。