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「親子で楽しむ 和算の図鑑」 小学算数の知識で大丈夫!

 去る8月8日は「そろばんの日」。そろばんを弾く「パチパチ」という音の語呂合わせから、この日が記念日となったんだそうです。そろばんは昔から習い事の定番でしたが、最近では集中力アップや脳トレにもつながると、再び注目を集めています。

 そんなそろばんが普及したのは江戸時代。商業が盛んとなり、さまざまな場面で計算が必要とされ、日本独自の数学「和算」も発展していきました。

 今回取り上げる「親子で楽しむ 和算の図鑑」は、江戸時代の人々が暮らしの中で役立てていた単位や算術を図解して紹介。ベストセラーとなった「塵劫記(じんこうき)」をはじめ、当時出版された算術書からの出題も交えつつ、問題を解きながら和算の世界に触れられます。算数や数学が苦手という人も、小学算数の知識があれば十分なのでご安心を。

 たとえば、積み上げられた米俵の総数を計算する「俵杉算」。積み上がった米俵と同じものを逆さまにして横に並べると平行四辺形になるので、平行四辺形の面積を求める要領で米俵の総数を算出するという計算方法です。これは江戸時代の算術書ではほぼ必ず登場し、庶民の間にも浸透していたんだとか。江戸の商人たちも蔵に積まれた米俵をこうやって計算していたのかも……なんて想像すると、情緒があります。

 巻末には本書に登場する全102問について難易度が記された索引もあるので、少しずつレベルアップさせながら問題を解いていくというのも一興です。

 うだるような暑さに頭がボーッとしてしまいがちですが、この夏は和算で脳を活性化してみてはいかがでしょうか。