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「露出する女子、覗き見る女子」など、今週注目の新書5選(朝日新聞2019年10月5日掲載)

『露出する女子、覗き見る女子』

 「インスタ映え」を出発点に、20~30代の女性5442人に調査。発信機能を活用する「Facebook女子」や「ストーリー女子」(インスタグラム)に「ライブ女子」、そして「検索女子」「閲覧女子」と五つに分類。「SNSとアプリに現れる新階層」を考察。
★三浦展(あつし)・天笠邦一著 ちくま新書・902円

『環境再興史』

 高度経済成長期に大気や水質が汚染され公害などが発生したが、環境保護の市民運動も活発化し、車の排ガスや工場の廃水への規制が進んだ。東京湾、多摩川、川崎市の事例を中心に、国際機関などで長く環境問題に関わってきた元新聞記者の著者が、環境が改善されてきた足跡をたどる。
★石弘之著 角川新書・990円

『気にしすぎる自分がラクになる本』

 気にしすぎてクヨクヨ悩みがちな人に向けた精神科医の人生指南。このタイプには気配りができる、慎重といった長所もある。ありのままの自分を認めて受け入れる大切さを説く。HSP(とても敏感な人)気質のチェックリストや、傾向、対処法も紹介。
★長沼睦雄著 青春新書プレイブックス・1078円

『奴隷船の世界史』

 15世紀後半から19世紀半ばまで続いた大西洋奴隷貿易では、通算1千万人以上が「輸入」されたという。奴隷貿易は、欧州、アフリカ、南北アメリカを結ぶ三角貿易で、強制労働による砂糖やコーヒー、綿花などをもたらした。移民の時代となった現代の「奴隷制」の実態をもたどる。
★布留川正博著 岩波新書・946円

『京都異界紀行』

 サッカーにご利益があると人気の蹴鞠(けまり)の神、精大明神を境内にまつる白峯(しらみね)神宮。御祭神は、怨霊伝説で知られる崇徳天皇と淳仁天皇だ。また、清水寺の南には鳥辺野という葬地があるように京都には華やかさと異界が併存。怨霊を案内人に異形の京都を訪ねた。
★西川照子著 講談社現代新書・1100円=朝日新聞2019年10月5日掲載