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「エモい」「ばえる」ネット俗語収録 大辞林13年ぶり改訂

大辞林第4版=三省堂提供

 大型国語辞典『大辞林』(三省堂)が13年ぶりに改訂され、第4版が発売された。時代の変化に敏感に反応してきた辞書に新しく加わった言葉からは、インターネットの影響が色濃く見て取れる。

 全25万1千項目を収録。約1万3千の新規項目には、感動的などの意味合いの「エモい」、ネットで一気に話題になることを指す「バズる」、「インスタ映え」の意で、人に見せたくなるほど印象的に見えることをいう「ばえる」など、ネットの俗語から一般化した言葉も多い。

 ネットの影響を受けた言葉の変化にも対応した。「熱量」は、これまでエネルギー量やカロリーを指す言葉だったが、情熱という新たな意味が加わった。「絵文字」には、電子機器などで使われるイラスト風の記号という説明が追記された。

 間に合わなかった言葉もある。問題視する組織に電話をかけ、真意を問いただす「電凸(でんとつ)」は、先ごろのあいちトリエンナーレ「表現の不自由展・その後」の問題で一般化。「意外な言葉が急に表に出てくる」と山本康一編集長。前回の改訂から展開していたネット上のウェブ辞書には掲載していたが、第4版には未収録だ。杓子(しゃくし)定規な掲載基準はないものの、ネット上にとどまらず、一般に広まると収録されやすくなるという。

 定期的に新語を追加するウェブ辞書を整備してきたが、第4版からは紙媒体購入者らがダウンロードできるアプリに移行した。本体9千円(税別)。(興野優平)=朝日新聞2019年11月13日掲載