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『「頭がいい」の正体は読解力』など注目の新書5選(朝日新聞2020年1月18日掲載)

『「頭がいい」の正体は読解力』

 物事を読み取り、理解する読解力こそが、社会で生き抜くために不可欠な力だと著者は断言する。受験の小論文指導で培ってきた、語彙(ごい)力→文章力→読解力の3ステップの方法を伝授。2019年に開催した「超実践!ビジネス文章力ゼミ」の講義を加筆修正して収録した。
★樋口裕一著 幻冬舎新書・858円

『韓国 行き過ぎた資本主義』

 副題は『「無限競争社会」の苦悩』。塾で違法な深夜教習を受ける受験生、仮想通貨に賭ける若者、就職に必要なスキルや資格などの「スペック」をあげるために借金する就活生。韓国の超格差社会をフリージャーナリストの著者が、日韓の相互理解への願いを込めて伝える。
★金敬哲著 講談社現代新書・946円

『大論争 日本人の起源』

 日本人はいつ、どこから来たのか? 遺伝学、人類学、考古学、歴史学からの最新の知見をもとに分析する。対談「日本人の起源と日本文化を考える」も収録。多分野の視点が重なり、日本列島の人類史がエキサイティングに浮かび上がる。
★斎藤成也、関野吉晴、片山一道、武光誠ほか著 宝島社新書・1100円

『証言 治安維持法』

 副題は『「検挙者10万人の記録」が明かす真実』。2018年にEテレで放送された特集番組を書籍化。1925年に制定された治安維持法が、戦時体制が強まる中、取り締まりの対象を拡大させた背景を探る。証言をもとに法の運用の変化と影響を検証。
★NHK「ETV特集」取材班著・荻野富士夫監修 NHK出版新書・990円

『見えない戦争(インビジブルウォー)』

反グローバリゼーションや過激主義、反イスラム、極右・極左、大国主義、ナショナリズムなどがポピュリズムに乗じて勢いを増している。外交経験が長い著者が、日本、アメリカ、中国、朝鮮半島の状況や未来図を踏まえて「見えない戦争」を論考する。
★田中均著 中公新書ラクレ・902円=朝日新聞2020年1月18日掲載