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「もうダメかも」書評 日々の暮らし、死ぬ確率はどれくらいか

評者: 黒沢大陸 / 朝⽇新聞掲載:2020年06月20日
もうダメかも 死ぬ確率の統計学 著者:マイケル・ブラストランド 出版社:みすず書房 ジャンル:経済

ISBN: 9784622088882
発売⽇: 2020/04/13
サイズ: 20cm/366,27p

人生の華奢な1年目のハザードは、地球1周以上の距離をバイクで走るのと同じ−。予防接種、ギャンブル、交通機関、失業などにおけるあらゆる死の確率を「マイクロモート」概念で分析…

もうダメかも 死ぬ確率の統計学 [著]M・ブラストランド、D・シュピーゲルハルター

 事故や犯罪、スポーツ、薬物、人生で直面するさまざまな出来事で死ぬ確率はどれくらいか。統計を使ってリスクを相対化した。
 平均的な暮らしの1日で命に関わることが起こる確率の「百万分の1」がひとつの目安。バイク運転なら11キロ、散歩だったら43キロ、自動車なら533キロ、鉄道や民間航空機なら1万2千キロでその値になる。
 結果だけでなく、元となるデータや計算方法も伝えて数字が意味することを考えさせる。各章に書かれた短い物語は平均的な人や用心深い人らが登場、自分の行動を省みるヒントになる。作家と統計学者による共著ならではの仕立てだ。
 災害や事件のような生々しい出来事の方が「数が多いと思われもする」。航空機テロで自動車利用が増えたら交通事故による死者が増えた。危機の感覚は必ずしも実際と一致しない。津波、豪雨、感染症、目先で騒がれる危機に振り回される現代で備えたい視点だ。