河出書房新社の季刊文芸誌「文芸」冬号が、発売翌日の8日に1万部、さらに9日に5千部の増刷を決めた。初刷り1万部とあわせ、計2万5千部に。同誌は昨年夏号で大幅にリニューアル。「韓国・フェミニズム・日本」を特集した昨年秋号が17年ぶりの増刷(3刷、計1万4千部)となって以降、4冊目の増刷で、リニューアル後最多の部数となった。
冬号では、今年7月に芥川賞を受賞した同誌出身の作家、遠野遥さん(29)と、ロックバンド「BUCK-TICK」のボーカル櫻井敦司さん(54)が実の親子であることが明かされ、各地で売り切れが続出した。遠野さんはデビュー2作目の「破局」で、平成生まれで初めて芥川賞を受賞し、話題となっていた。
同誌は「生まれながらの影響 抱きしめたいほどの虚無」と題し、2人による初めての対談を掲載。お互いを「遠野先生」「櫻井さん」と呼び合うやり取りを、8ページにわたって写真付きで紹介している。(山崎聡)=朝日新聞2020年10月14日掲載