名シーンに励まされる
『マスカレード・ホテル』(東野圭吾、集英社、2011年)
都内で起きた不可解な連続殺人事件。容疑者もターゲットも不明。残された暗号から判明したのは、次の犯行場所が一流ホテル・コルテシア東京ということのみ。若き刑事・新田浩介は、ホテルマンに化けて潜入捜査に就くことを命じられる。彼を教育するのは、女性フロントクラークの山岸尚美。次から次へと怪しげな客たちが訪れる中、二人は真相に辿り着けるのか!?(集英社ウェブサイトより)
・山岸尚美のホテルフロントクラークとしてのプロ意識は当時アパレルスタッフの私に通ずるものがありました。 「できません」を決して言わず、自分の経験や知恵をフル動員してよりお客様に上質なサービスを!というストイックさは「私も頑張らなきゃ!」と両頬を思わずぱちんと張りたくなる思いでした。お客様からの感謝の言葉を頂くシーンも多く「それそれ!これだから接客業はやめられないよね」とウンウンと頷くこともあり何回読んでも、明日から頑張ろうと前向きにエネルギーを貰える1冊です。(せろり(^-^)vさん)
『重版出来!』(松田奈緒子、小学館、2013年)
「マンガ」は、漫画家だけのものじゃない。編集者、営業、宣伝、製版、印刷、デザイナー、取次、書店員…。数えきれないマンガの裏方たちのリレーで、読者の手に届くもの。そう、裏方の熱き想いがあるからこそ「マンガは売れる」んです! マンガに関わる一人ひとりの人間ドラマをぐいっと描く本作、全ての仕事人へのエール漫画です!!!(小学館ウェブサイトより)
・慣れない仕事を振られても勉強だ!と解釈する主人公の前向きさは心底見習いたい!「頑張って頑張って、声掛けてくれた人に喜んでもらおうって思います!」という台詞が好き!いつも心の中にその言葉を置いています。(ちけ❀肉球ぷにぷに教信者さん)
【関係記事】歌人・高田ほのかの短歌で味わう少女マンガ「重版出来!」
『この世にたやすい仕事はない』(津村記久子、日本経済新聞出版、2016年→新潮文庫『同』)
自分にふさわしい仕事って何だろう? 面白いけれど、きつい、やりがいのある仕事に燃え尽きた36歳の女性が、仕事との健全な関係を取り戻すために踏み出した場所は?おかしくて不思議な連作・仕事ファンタジー”(日本経済新聞出版ウェブサイトより)。
・タイトルの感じと真逆の、ゆるくクスクス笑える話。読み終えると、「まぁ自分も自分なりに仕事頑張ってこ」という気分になる。(藤野隆晃さん)
・自分の仕事をたやすいと思う人間は、その分懸命にできていないんだろうし、その分、喜びも感じていない。もちろん苦しみも。死ぬ気で働け、なんてバカみたいなことは言わない。でも、働くことは生きることだ。(のんさん)
『英子の森』(松田青子、河出書房新社、2014年)
彼女たちを「違う世界」へ連れて行ってくれる〈街に溢れる魔法の言葉〉、それは――。『スタッキング可能』で話題の松田青子が贈る、待望の第2作品集!(河出書房新社ウェブサイトより)
・主人公が求人広告を見て、「英語を活かせる仕事」とそうでない仕事の時給が50円しか違わないことにショックを受ける描写がある。 僕は求人広告を書く仕事をしてる側として、このシーンは身につまされた。安直に原稿を書かぬよう姿勢を正した一冊。(Ryotaさん)
『あん』(ドリアン助川、ポプラ社、2013年)
生きる気力を失いかけていた千太郎の店に、不思議な老女が「雇ってほしい」とあらわれて――。このうえなく優しい魂の物語!(ポプラ社ウェブサイトより)
・登場人物の輪郭が丁寧に描かれ、ゆっくり交流が深まっていく 徳江さんの言葉に何度となく励まされています 店長さんへの手紙より もの書きにならずとも、どら焼き職人にならずとも、あなたはあなたらしく立ち上がる日がくると思うのです。(yuri@Webデザイン勉強中さん)
【関係記事】ドリアン助川教授の「扉をあける読書」 本のページはすべて、新たな世界へ通じている
逆境を乗り越える
『蘇える変態』(星野源、マガジンハウス、2014年→文春文庫『よみがえる変態』)
アルバム制作やライブ、ドラマ撮影に執筆。やりたかったことは次々と仕事になったが、片時も休まる暇がない。自分がなりたいと思う姿を追いかけるほどに消耗していく中、突然の病に襲われた。……まだ死ねない。これから飛び上がるほど嬉しいことが起こるはずなんだ。死の淵から蘇った3年間をエロも哲学も垣根なしに綴る。(文芸春秋ウェブサイトより)
・手術後入院中、もう職場には戻れないかもと気弱になりやけっぱちな気分になっていた時、院内の売店で偶然手にした本。こんなんで挫けてなるものかとメラメラと燃え上がりました。星野源さんの闘病についての記述と彼の考えに叱咤激励されます(ながみやさん)
【関係記事】ひとりではない瞬間の、大切さ 星野源さん「いのちの車窓から」インタビュー
『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』(佐々涼子、早川書房、2014年)
2011年3月11日、日本製紙石巻工場は津波に呑みこまれた。本の紙の供給にはなくてはならない工場だ。閉鎖が噂されるほどの壊滅的被害だったが、工場長は半年での復興を宣言。その日から、従業員の壮絶な闘いが始まった。工場のため、地元のため、そして本を待つ読者のために!絶望から立ち上がる者たちのドラマを徹底取材した、傑作ノンフィクション(早川書房ウェブサイトより)
・津波により壊滅的な被害を受けた日本製紙石巻工場の再生にかける思いとそれを実現させたパワー、「本の紙」づくりへの情熱と誇り、そして著者の渾身のリポート、すべてに感動し、力をもらいました。(もがなさん)
発想を変えてみる
『しないことリスト』(pha、大和書房、2015年)
元「日本一のニート」が教える、ラクを極めるヒント集。本当はしなくてもいいことを手放して、自分の人生を取り戻そう!(大和書房ウェブサイトより)
・人一倍バリバリ働く人々と対象的に「働かない」を至上命題とした(?)作品ですが、「こんな生き方もあるんだ」と知ることで気が楽になり、何となく「仕事、頑張ってみようかな…?」と思わせてくれます。 …気のせい?(二ノ瀬葵さん)
【関係記事】「頑張らなきゃ」は日本のローカルルールに過ぎない 「京大卒・元ニート」のブロガー・phaさんの生き方
『苦しかったときの話をしようか』(森岡毅、ダイヤモンド社、2019年)
「何をしたいのかわからない」「今の会社にずっといていいのか」と悩むあなたに贈る必勝ノウハウ。悩んだ分だけ、君はもっと高く飛べる! USJ復活の立役者が教える「自分をマーケティングする方法」。後半の怒涛の展開で激しい感動に巻き込む10年に1冊の傑作ビジネス書!(ダイヤモンド社ウェブサイトより)
・仕事での苦しかったエピソードがドラマみたいでグイグイ読めます。 家族への愛情がすごく伝わってきて、泣けます…。 自分をだいじにしよう、活かせるところへ行こう、って思える本です。(misokaさん)
『「やりがいのある仕事」という幻想』(森博嗣、朝日新聞出版、2013年)
私たちはいつから、人生の中で仕事ばかりを重要視し、もがき苦しむようになったのか? 本書は、現在1日1時間労働の森博嗣がおくる画期的仕事論。自分の仕事に対して勢いを持てずにいる社会人はもちろん、大学生にもおすすめ。(朝日新聞出版ウェブサイトより)
・日本中の働く人が搾取される「やりがい」を見つめた本。 なかなかこんな風に割り切れないけど、少なくとも「やりがい」を誰かに強要しない人でありたいと思います。(記述師文庫堂さん)