突然ですが、皆さんは蕎麦やラーメンなどの麺類を音を立てて“すする派”ですか? 筆者は“すする派”で、特に蕎麦はズズズズーッと勢いよく音を立てて食べるのが粋だと思っています。しかし、数年前に「ヌードルハラスメント(ヌーハラ)」という言葉が出てきて、麺類をすする音を不快に感じる外国人もいると知り、びっくりしました。
こうした「すすり食べ」のようなカルチャーギャップの事例を集めたのが「どこへ行っても恥をかかない世界の『常識』図鑑」です。挨拶やジェスチャー、身だしなみ、テーブルマナーなどに関する世界各地の常識の中から、日本人が間違いやすいもの142個をピックアップし、イラストとともに紹介しています。異文化への理解を深められると同時に、その面白さも発見でき、異文化コミュニケーションの入り口としておすすめです。
例えば、贈り物。中国では時計や靴は贈り物にふさわしくないとされているんだそうです。なぜなら、どれも中国語の響きが不吉な言葉を連想させるから。中国語で「時計を贈る」は「最期を看取る」、「靴を贈る」は「悪をもたらす」と同じ発音になるといいます。他に、扇子や傘も「関係が壊れる」ことを彷彿とさせる「散」と同じ音であることから、プレゼントには不向きなんだとか。
まさに「所変われば品変わる」ですが、世代や性別、職業や家庭環境などの違いでもそれぞれが思う「常識」は変わってくるもの。自分の「常識」が必ずしも他人の「常識」ではないことを改めて肝に銘じつつ、その違いを認めて時には面白がれるような心の余裕や寛大さも持ち合わせていたいものです。