辰巳出版の翻訳書レーベル「&books」から、『アンチレイシストであるためには』が刊行されました。「アンチレイシスト」とは、人種だけでなく民族、文化、階級、ジェンダー、セクシャリティなどの違いを平等に扱う人のことです。
著者は米タイム誌の「2020年最も影響力のある100人」に選ばれた歴史学者イブラム・X・ケンディ。アフリカ系アメリカ人である自らの体験を織り交ぜながら、レイシズム(人種差別主義)の構造や本質を解き明かし、アンチレイシズムの考え方や実践する方法をまとめています。2019年にアメリカで刊行後、その翌年に盛り上がったブラック・ライブズ・マター(BLM)運動を背景に話題となり、130万部を売り上げるベストセラーになっています。
ケンディは本書で、一方的に差別の悲惨さを訴えているのではない。レイシズムが深く浸透した社会では、自身をふくむほとんどの人の心にレイシズム的な考え方が潜んでいることを指摘し、アフリカ系アメリカ人として本来被抑圧者であるはずの自分にも、過去にレイシスト的な言動があったと反省している。そして、レイシストの権力者たちがつくりだす「ポリシー(政策、制度、ルール)」を変えないかぎりレイシズムは解決できず、「わたしはレイシストではない」と発言する人は、一見消極的で無関心なだけの「非レイシスト」のように見えて、じつは仮面をかぶったレイシストなのだと厳しい目を向ける。そしてだからこそ、積極的に「アンチレイシスト」であろうとするべきだと呼びかける。(訳者あとがきより)
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