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二人を対に描く「ディズニーとチャップリン」など注目の新書5選

「ディズニーとチャップリン」

 ミッキーマウスのモデルは、放浪紳士チャーリーだった。彼は12歳年下のディズニーを「君はもっと伸びる」と励まし、「自分の作品の著作権は他人の手に渡しちゃだめだ」と言う。その師弟関係は戦争への対応の違いで終わった。日本チャップリン協会会長が、2人を対に描く。
★大野裕之著 光文社新書・990円

「カラー版 やってみよう! 車中泊」

 子どものころ押し入れを秘密基地にして遊んだような「非日常」が味わえる車中泊。好きな場所で仕事をしながら休暇を楽しむ「ワーケーション」に活用する動きもある。車中泊専門誌編集長の著者が、車内の装備からマナーまでをわかりやすく紹介する。
★大橋保之著 中公新書ラクレ・1210円

「みんな自分らしくいるための はじめてのLGBT」

 著者はトランスジェンダーの34歳。自身の性自認に悩んだ女子校時代を振り返りつつ、性に限らず「みんなと違っていること」に悩む、主として若者に向けて書いたエッセー。世の中の当たり前や普通を捉え直す視点に気づかせてくれる。
★遠藤まめた著 ちくまプリマー新書・902円

「陶芸は生きがいになる」

 無趣味だったCMプランナーの著者は、陶芸教室を見学したのを機に趣味で陶芸を始め、福岡に単身赴任中に深くハマり、50歳で早期退職。現在は千葉で教室を開いている。「つくる人」と「使う人」とのあいだをつなぎたいと、実体験を元に失敗しない教室の選び方などを楽しくつづる。
★林寧彦著 新潮新書・836円

「サボる哲学」

 人は懸命に働かなければならない。アナキズム研究が専門の政治学者がそんな常識を疑い、国家、企業、カネの支配から逃れよ、と軽やかにつづる。「鬼滅の刃」や古事記、フーコーなどに縦横に触れ、「奴隷のように収奪されてきたこのわたしを、わたし自身がうち砕くのだ」と訴える。
★栗原康著 NHK出版新書・1023円=朝日新聞2021年7月17日掲載