作家・平岩弓枝さん死去 91歳 「御宿かわせみ」シリーズ
「御宿かわせみ」シリーズなどの時代小説で知られる直木賞作家で、文化勲章受章者の平岩弓枝（ひらいわ・ゆみえ）さんが9日、間質性肺炎のため東京都内の病院で死去した。91歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は長女小池三佳（みか）さん。後日お別れの会を開く予定。
1932年、東京生まれ。日本女子大文学部を卒業後、作家の長谷川伸が主宰する新鷹会（しんようかい）に入り、59年に「鏨師（たがねし）」で直木賞を受賞した。60年代以降はドラマや演劇の脚本も執筆。テレビドラマ「肝っ玉かあさん」や「ありがとう」を手がけたほか、70～80年代に原作・脚本を務めた平岩弓枝ドラマシリーズ（フジテレビ系）で人気を博した。
73年から書き継いだ「御宿かわせみ」シリーズは何度もテレビドラマ化され、代表作となった。「はやぶさ新八御用帳」シリーズなどの捕物帖や、「平安妖異伝」などで独自の時代小説の世界を築いた。
78年度にNHK放送文化賞、91年に「花影の花」で吉川英治文学賞、98年に菊池寛賞。2004年文化功労者、16年文化勲章。
朝日新聞デジタル2023年06月18日掲載
