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新書の未知に挑むNFT 早川書房が創刊

 早川書房が20日、「ハヤカワ新書」を創刊する。2010年まで刊行されていた「ハヤカワ新書juice」以来の新書レーベルだ。

 第1弾は、越前敏弥名作ミステリで学ぶ英文読解』、土屋健古生物出現! 空想トラベルガイド』など5点。「未知への扉をひらく」をコンセプトに、日本の著者の書き下ろしを中心に展開していく。「SFやミステリという日本では未知のジャンルを切りひらいてきた早川書房として、今度は新書でそれができたら」と、一ノ瀬翔太編集長は話す。

 5点はいずれも、通常の紙の書籍と電子書籍に加え、電子書籍取次大手メディアドゥのサービスを使った「NFT電子書籍付き新書」を同時発売する。封入されたカードに記載されているコードを読み取ると、新書の本編と同じ内容の電子書籍をスマホで読むことができるほか、この電子書籍をユーザー間で売買できる。

 転売収益の一部は、著者や出版社に分配される。電子コンテンツを売買できるNFTは「出版業界の売り上げ回復の起爆剤になる可能性も」と、早川書房の早川淳副社長。

 一部の作品には、NFT限定の特典も。『名作ミステリで学ぶ英文読解』には著者らの対談が、7月刊行予定の『ソース焼きそばの謎』には著者の塩崎省吾さんが老舗喫茶店を訪れた取材動画が付く。(田中ゑれ奈)=朝日新聞2023年6月17日掲載