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絵本ナビ編集長おすすめの新刊絵本11冊は…? 「NEXTプラチナブック」(2024年2月選定)

【この記事で紹介する絵本】

ちょっとドキドキの、あたたかな1日。『ぞうくんはいちねんせい』

『ぞうくんはいちねんせい』(作:ながしま ひろみ / アリス館)

ぞうくんは、今日から小学一年生。ともだちできるかな、先生ってこわいのかな、勉強ってむずかしいのかな。不安な気持ちでいっぱいです。隣の席のコトコちゃんへの挨拶に失敗したり、ペンギンの先生に「おかあさん」と呼んでしまったり、忘れものをしちゃったり。ドキドキの連続だったゾウくんですが、休み時間にコトコちゃんやみんなと一緒に遊んだあとは、すっかり元気。長かった1日も終わりです。

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編集長のおすすめポイント

最初は失敗して顔を赤らめていたぞうくんも、水の出しっぱなしが気になっちゃったり、答えがわからないのに元気に手をあげてみたり。1日が終わって帰る頃には、すっかり自分のキャラクターが出せるようになっているのがすごいですよね。共感しながら読んでいた子どもたちも、だんだん成長するにつれ、ぞうくんをあたたかく見守るような気持ちになっていくのでしょうか。ぞうくんはもちろん、そんな子どもたちの変化にも心を寄せてしまうのです。

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ありのままでいるって、どんなこと? 『ネコになりたかったクモのルイージ』

『ネコになりたかったクモのルイージ』(作:ミシェル・ヌードセン 絵:ケビン・ホークス 訳:福本 友美子 / 岩崎書店)

毛がもじゃもじゃの大きなクモが見つけたのは、ベティおばさんの大きな古い家。ずっと仔猫が欲しいと思っていたおばさんに、クモはルイージと名付けられ、ネコとして飼われることになったのです。朝ごはんを用意してもらい、おもちゃで遊び、おばさんと一緒に映画を見て。最初はとまどっていたけれど、ネコになるのも悪くない気がしてきたルイージは、ネコらしくがんばるようになっていきます。ところがある日……。

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編集長のおすすめポイント

一緒にいるのは楽しいし、喜んでくれるのはもっと嬉しい。無理しているわけでもないのです。実際にルイージは、毎日知らなかった世界を体験していたのです。けれど、ベティおばさんが望んでいなかったとしたら、それは別。ネコのふりなんておしまいです。心がギュッと痛む瞬間です。でも、大丈夫。ベティおばさんは、ルイージをちゃんと抱きしめます。気持ちを伝えあうことって、ちょっぴり難しいけれど、こんなにも素敵なことなんですよね。

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おやすみいやいや、こねんこさん。 『おやすみまくら』

『おやすみまくら』(作:斉藤 倫 うきまる 絵:牧野 千穂 / 小学館)

夜なのに、全然眠りたくないこねこのこねんこさん。窓から来たのは、まあるいアヒル。「わたしをまくらにどうでしょう?」ふくふくでいい気持ち。けれど元気なこねんこさんは、夢の中でもまだまだ寝たくないのです。最後にはちゃんと眠れるのかな?最初から最後まで、ずっとふわふわでふかふかで、うっとり気持ちよさそうなお話です。

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編集長のおすすめポイント

あひるにきのこ、真っ青な空に浮かぶ雲や大草原に集まるひつじたち。こねんこさんの行く先々は、とりとめのないようでいて、どこか見たことあるような。その答えは部屋の中をよーく見るとわかるかも? こねんこさんは、おやすみ前の時間を楽しむのが本当に上手なんですね。見習いたくなっちゃいます。今夜はどのまくらを使うのかな?

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ゾウがもっと好きになる!『ゾウのはなのあなは、どこまでつづいているの?』

『ゾウのはなのあなは、どこまでつづいているの?』(絵:中山 信一 文:高岡 昌江 / あすなろ書房)

私の鼻に2つの穴があるように、ゾウの鼻にも2つの穴がある。同じようだけど、本当に同じなのかな? 子どもの目線で気になる疑問をどんどん解き明かしていってくれるこの絵本。「なるほど」「そうなっているのか!」にあふれています。

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編集長のおすすめポイント

ぞうは「はな」だけじゃなく、「はなのあな」もながーいのだ! 言われてみれば納得のこの事実。だけど、そもそも鼻の穴がどこまで続いているかなんて、考えたこともなかった気がするのです。作者の高岡さんは、ゾウの「はな」を輪切りにした標本を見た時に、宇宙のようなその2つの穴に引きこまれ、知りたくなったのだそう。思わぬ出会いがあった時、そこから何を発見したり、どんな考えにつながっていくのか。そんな力がついてきたら、世の中がもっと面白く見えてきそうですよね。

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パパと学校へ行くのは、わたしの一番好きな時間。『パパはたいちょうさん わたしはガイドさん』

『パパはたいちょうさん わたしはガイドさん』(作:ゴンサロ・モウレ 絵:マリア・ヒロン 訳:星野 由美 / PHP研究所)

わたしの目はかすかに見えるけど、パパの目は見えない。でもね、パパはこの世界の誰よりもずっと、たくさんのものを見ている。パパはわたしのことを、「ぼくの ガイドさん」って言うけれど、本当はパパこそ頼れる「わたしの たいちょうさん」なの。

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編集長のおすすめポイント

たいちょうさんとガイドさん。二人の探検にあるものは、かすかに見える光としっかり聞こえる音。そして、どこまでも広がっていく想像力。感覚を研ぎ澄ませ、緊張感をきらすことなく、それでも楽しむことを忘れない。そんな「パパ」の強い意志と、その時間をめいっぱい味わう「わたし」が生み出すかけがえのない時間。絵本を開けば、読者もその景色を少しでも一緒に体験することができる。そんな喜びを味わうことのできる一冊です。

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きみは知らないと思うけど……。『ひげが ながすぎる ねこ』

『ひげが ながすぎる ねこ』(作:北澤 平祐 / 講談社)

みゃあは、ひげが長すぎるねこ。ひげが長すぎるって、大変なことなんだ。いいことなんて、ひとつもない。毎日いやなことばかりだよ。ひげをふんづけられるのがいや。ひげの上でみんながちらかすのがいや。もっともっといやなのは……。不平だらけのみゃあの毎日。そんなふうに、いやいやって言っていたら、ある日のこと!?

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編集長のおすすめポイント

「もしも、ねこのひげが長すぎたら」なんて、考えたこともなかったけれど。それも、みんながなわとびやギターの弦として遊んだり、自分の家をぐるりと囲んでしまえるほど長いなんて! だからこそ、この絵本に登場するのは、想像を上回るヘンテコな状況ばかり。それに、なんだかちょっと楽しそうでうらやましい。理屈をこえて思わずぷぷっと笑ってしまう……そんな絵本が存在しているのって、とても幸せなことだなと改めて思うのです。

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さあ、5人でどうわける?『わたしたちのケーキのわけかた』

『わたしたちのケーキのわけかた』(作:キム・ヒョウン 訳:おおたけ きよみ / 偕成社)

わたしたちは、ケーキをひとりじめすることはできません。わたしたちは5人きょうだい、なんだって5でわけなくてはなりません。りんごにウインナー、牛乳やチキン、せんぷうきの風や一人のおじさんや一台のキックボードだって。ほしいものを手にいれるのは、なかなか大変! とびきり愉快で、読み終わればほんのり幸せ。韓国発の絵本です。

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編集長のおすすめポイント

なんでも5等分にわければ解決するかといえば、そんなことはありません。年齢も違えば性格や好みだってちがう。誰が得をして、誰が損をするのか。その答えだって単純ではありません。順番だって関係してきますし、きょうだいだけの話でもありません。でも、「うまいわけかた」が出来た時には、みんなでその喜びをわかちあうことができるのです。難しく考えすぎず、柔軟に、楽しみながら。あたりまえのことを言っているようだけど、今を生きる私たちには、とっても必要な考え方なのかもしれないですよね。

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こんな家って、世界で一つ!『みんなのいえ』

『みんなのいえ』(作・絵:たしろ ちさと / 文溪堂)

みんなに忘れられた古い家にやってきたのは、一人の旅人。荒れ果てたその家に、旅人は暮らすことにします。春になり、新しい旅人たちがやってくると、彼らもまた働きながら暮らすことになりました。夏にも秋にも新しい旅人たちがやってくるたび、少しずつ明るく快適、世界でひとつの「みんなのいえ」が出来上がっていきます。

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編集長のおすすめポイント

理想の家ってどんな家でしょう。どんな家に住みたいかな。そんなことを考えた時、思い浮かべる家は一人一人みんな違うはず。とても大きな家を思い浮かべる人もいるでしょうし、とにかく便利な家がいい人もいるでしょう。この絵本に登場する家も、一つの答えです。そこに暮らす人が息を吹き込んでいく家です。暮らしに合わせて変化していく家です。こんな家のつくり方は、現実にはなかなか実現できないかもしれません。でも、想像するだけでも楽しいものです。もし「みんなのいえ」で暮らすとしたら、どんな部屋をつくろうかな……。

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ことわざがつながって、物語が動き出す! 『むげんことわざものがたり』

『むげんことわざものがたり』(作:大串 ゆうじ / 偕成社)

ことわざと慣用句がどんどんつながって、物語が動き出す! 始まりは「いぬも あるけば ぼうに あたる」。そのあたった棒の先に乗っていた「たなからぼたもち」が落ち、ぼたもちにあたっただるまが「ななころびやおき」し、びっくりした「とんびがたかをうむ」。そうこうしているうちに、やっと主人公の登場です……。

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編集長のおすすめポイント

いくら「ことわざ絵本」だからといって、一見開きに3つも4つもことわざが登場すれば、読んでいても頭が混乱してしまいそうなもの。ところが、目で追っていくだけで、ことわざの響きや意味までがすんなりと理解でき、それどころか思わぬ展開の連続に笑ってしまうのです。それが、ひとつのおはなしの世界観の中で進んでいくのもまた驚き。……これだけ説明しても、どんな絵本かわからない? 「ひゃくぶんは いっけんに しかず」です。今すぐ手に取って、ページをめくって確かめてみてくださいね。

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目には見えないひとりひとりの物語。『わたしは地下鉄です』

『わたしは地下鉄です』(文・絵:キム・ヒョウン 訳:万木森 玲 / 岩崎書店)

わたしは今日も走ります。わたしを待つ人を乗せ、毎日同じ時間、毎日同じ道を。ソウルを走る地下鉄2号線の視点で語られる物語。登場するのは、名もなき乗客。ところが次第にひとりひとりが色を帯びていき、かけがえのない日常のひとこまが見えてくるのです。

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編集長のおすすめポイント

どこかで見たことあるような、似ているようで少し違う、韓国の地下鉄の風景。大きなリュックと手荷物を持ち、花柄のシャツにズボンをはいた小さなおばあさんの背景に見えるのは、海の中を自由に泳ぎまわる頼もしい姿。靴職人のジェソンおじさんの視線は近くの人たちのつま先に注がれ、じっと携帯電話を見つめるナユンからは、そびえたつビルの大きさに押しつぶされそうになりながら歩く姿が見えてくる。なんて魅力的な物語なのでしょう。顔に刻まれているしわや表情からも、人生が透けて見えてくるようです。新しくて懐かしい、そんな一冊なのかもしれません。

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びっくりすることが大好き! おもしろいことが大好き!『みつごちゃんとびっくりセーター』

『みつごちゃんとびっくりセーター』(文:角野栄子 絵:西巻かな / 童心社)

びっくりさんちのみつごちゃん、アーちゃん、レーちゃん、マーちゃん。みんな3さいの、みつごちゃんです。3人が見つけたのは、ビックリママの素敵なピンクのセーター。さて、彼女たちの手にかかるとどうなっちゃう……!?

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編集長のおすすめポイント

びっくりすることが大好き! おもしろいことが大好き! そんなみつごちゃんたちの遊び方は、絵本をなんど開いてもびっくりするほどダイナミックで独創的。登場するおともだちもやっぱり普通じゃありません。素敵だったママのピンクのセーターはつぎはぎだらけ。きっと家に帰ってきたママもパパもびっくりです。……でも、びっくりさんちにしてみれば、いつもの光景なのかな? 絵本を読んでいる子どもたちにしてみれば、こんなにおもしろそうな遊びを次々にひらめいてしまうみつごちゃんたちを、尊敬のまなざしで眺めているにちがいありません。いいな、いいな。みつごちゃんたちの毎日、もっともっとのぞいてみたくなりますね。

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絵本ナビ編集長がおすすめする「NEXTプラチナブック11選」はいかがでしたでしょうか。対象年齢も、あつかっているテーマもさまざま。気になった絵本があったら、ぜひ手にとってみてくださいね。絵本ナビ「プラチナブック」連載ページへ

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