第12回河合隼雄物語賞・学芸賞(河合隼雄財団主催)の授賞式が12日、京都市内であり、「休館日の彼女たち」(筑摩書房)で物語賞を受賞した八木詠美さん、「焼き芋とドーナツ 日米シスターフッド交流秘史」(KADOKAWA)で学芸賞を受賞した法政大教授・湯澤規子さんが喜びを語った。
八木さんは「孤独な主人公とビーナス像が生き生きと存在する場を物語の中に作ろうと思った」という。「どこかで見過ごされているような誰かの話を書き続けたい」
「焼き芋とドーナツ」は日米の産業革命の中で女性たちが経済的な力を得て、連帯していく日々の営みを描いた。受賞した2作ともシスターフッドが芯にある。湯澤さんは「魂が共鳴するように話すところが通じあい、パッチワークやドーナツが象徴的に出てくるのも同じ。おもしろいことが起こるでしょ、と河合隼雄先生は言われるでしょう」と話した。(河合真美江)