元駐米公使の米国憲法史家で、慶応大名誉教授の阿川尚之(あがわ・なおゆき)さんが12日、病気で死去した。73歳だった。葬儀は近親者で営んだ。喪主は妻葉子(ようこ)さん。後日、お別れの会を開く予定。
1951年生まれ。慶大中退後、米ジョージタウン大に学び、米国の弁護士資格を取得。ソニーや日米の法律事務所勤務などを経て99年から慶大教授。2002~05年には外務省の民間人登用の一環で駐米公使を務めるなど日米の交流に尽くした。
時代とともに修正を重ねた米憲法の歴史研究や米国滞在の知見をふまえ、「知米・親米」の立場から日米関係を論じた。エッセーの名手としても知られた。著書に読売・吉野作造賞を受賞した「憲法で読むアメリカ史」のほか、「アメリカが嫌いですか」「アメリカン・ロイヤーの誕生」「海の友情 米国海軍と海上自衛隊」などがある。
父は作家の阿川弘之。妹はエッセイストの阿川佐和子さん。
朝日新聞デジタル2024年11月19日掲載