
全国の書店員が日本一おもしろい書店フェアの企画を競い合う「Book Fair Championship」の第1回チャンピオンが決まり、3日、都内で贈呈式が開かれた。
150を超える応募から初代チャンピオンに輝いたのは、MARUZEN&ジュンク堂書店新静岡店の久保田理恵さん。2022年3月から2カ月にわたって展開した「新社会人応援フェア Working girl Routine #本庄静子の一日」が、小説家の滝口悠生さん、文芸評論家の三宅香帆さんら審査員から高い評価を得た。
フェアは、22歳の新社会人・本庄静子という架空の人物を応援する本を取りそろえたもの。初めての一人暮らしに悩みながらも、仕事や趣味も頑張りたい静子のために、仕事術、家事、化粧など、新社会人の課題に関連する本を並べた。来店客に20~30代の女性が多いことから、同世代の静子という人物像を考え出したという。
贈呈式には読書家のプロレスラー棚橋弘至さんが登場。チャンピオンベルトを贈られた久保田さんは、大会について書店員同士が互いを「高め合える、いいもの」と語った。
滝口さんは審査のポイントについて「コンセプトが秀逸。(他の書店でも)再現できる可能性がある」と説明した。
これを機に丸善ジュンク堂書店は約1カ月間、国内31店舗の系列書店で同企画をアップデートした「若手社員応援フェア Working girl Routine #3年目の本庄静子」を開催中だ。
第2回チャンピオンシップは10月1日に受け付け開始。久保田さんにとっては初の防衛戦となる。(真田香菜子)=朝日新聞2025年03月19日掲載
