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ノーベル文学賞のクラスナホルカイさん、経歴に書いた「井上和幸」

来日したクラスナホルカイ・ラースローさん(右)ら。一番左で青いシャツを着ているのが能楽師の故・井上和幸さん。その下が弟子の河本稚和子さん=2000年撮影、河本さん提供

 今年のノーベル文学賞に決まったハンガリーの作家クラスナホルカイ・ラースローさん(71)は、京都を舞台にした小説も手がけるなど、日本とのゆかりが深い。遠く離れた極東の伝統文化に関心を深めたきっかけは、繰り返し滞在した京都での、ある能楽師との出会いだった。

 「2000年 井上和幸と初めて出会う」。クラスナホルカイさんはホームページの経歴にそう記している。この年、国際交流基金による芸術家向けの招聘(しょうへい)プログラムで半年間、京都に滞在。知人の紹介で知り合ったのが、観世流シテ方の能楽師、井上和幸さん(23年に死去)だった。

 「お能そのものにも興味はお持ちのようでしたが、おそらく和幸先生の人間性に引かれるところもあったのではないかと思います」と、弟子の河本稚和子(かわもとちわこ)さん(64)はクラスナホルカイさんと出会ったころを振り返る。

(山崎聡)朝日新聞デジタル2025年10月10日掲載

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