「酒の起源」書評 人類の執念はすごいよ
評者: 山室恭子
/ 朝⽇新聞掲載:2018年04月21日
酒の起源 最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅
著者:パトリック・E.マクガヴァン
出版社:白揚社
ジャンル:暮らし・実用
ISBN: 9784826990608
発売⽇: 2018/03/03
サイズ: 20cm/475p
酒の起源―最古のワイン、ビール、アルコール飲料を探す旅 [著]パトリック・E・マクガヴァン
ごきげんバッカスのお通りだ!
わーい、愉快愉快。人類が文明を生み出せたのは、お酒のおかげなんだって。酔っぱらうことで革新的な思考が刺激され、みんなでお祭り気分になれて共同体の絆も強まるってわけ。
じっさいアルコールを求める人類の執念はすごいよ。たとえばトウモロコシ。5粒ぽっちしか実らないメキシコの草を、改良に改良を重ねて、ビールがつくれるまでに変身させちゃったんだから。
世界中の酩酊(めいてい)の痕跡は、土器の内側にしみこんだ成分を化学分析すると分かるんだ。今のところ最古記録は9千年前の中国酒だけど、すぐに更新されそう。ニッポンのカッコイイ縄文式土器とか、化学分析すると何が出てくるのかな。
もし古代エジプトでピラミッド建設員になったら、ビールは大きな壺(つぼ)から、みんなでストローでチューチュー吸うんだよ。
ほろ酔い人類にカンパーイ♪ じゃあね。