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廃棄物問題に資源政策の視点を

資源の循環利用とはなにか バッズをグッズに変える新しい経済システム 著者:細田 衛士 出版社:岩波書店 ジャンル:社会・時事・政治・行政

価格:3024円
ISBN: 9784000610124
発売⽇:
サイズ: 20cm/294p

天然資源のピークアウトと廃棄物の処分という、入り口と出口の二重の資源問題に私たちは直面している。グッズ(有価物)とバッズ(逆有償物)の理論の提唱者が、資源を有効利用する国…

評者:諸富徹 / 朝⽇新聞掲載:2015年04月26日

資源の循環利用とはなにか [著]細田衛士

 天然資源の価格乱高下のたびに、日本経済は大きな影響を受ける。また、中国との関係では、レアメタルの禁輸措置が、日本を外交的に揺さぶる効果的な手段として用いられたことも記憶に新しい。資源のない日本の宿命である。しかし筆者によれば、この弱点を克服する方途はある。
 使用済み製品に含まれる鉄、銅、レアメタルなどの「静脈資源」を回収し、再び動脈経済に投じる「資源の循環利用」を確立することだ。そのためには、廃棄物減量のために導入された自動車、家電などのリサイクルシステムを、静脈資源の回収という観点から再設計しなければならない。
 日本の廃棄物・リサイクル政策はこうした「統合的資源政策」の視点が弱い。これまで廃棄物問題の解決に専心してきた結果、資源問題への対応の視点が欠落していたのだ。両問題を統合的に解決することは、資源枯渇問題への日本経済の耐性を強化することにもつながるのだ。
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 岩波書店・3024円