10年後の仕事図鑑 [著]落合陽一、堀江貴文
AI(人工知能)が台頭する社会は目前。本書によれば、それを希望と捉えるか、絶望と見るかは自分次第。「AIに職を奪われる」と悲観するのではなく、AIを使いこなして価値を生み出すという視座を持てば、心持ちも変わってくるというわけだ。
注目の論客2人がコラボした話題作。今後の働き方や社会の変化を大胆に予測し、「遊びを極めることでお金が稼げる」「必要なのは、お金よりも信用」「『ワーク“アズ”ライフ』を体現する者だけが生き残れる」などの持論を展開する。両氏のこれまでの発言が凝縮されていて、なかなかに刺激的だ。
「なくなる/減る仕事」(管理職、公務員など)、「生まれる/伸びる仕事」(職人、ドローンパイロットなど)のリストは、就活生の参考になりそう。また、未来を語る一方で、この激動の時代に、10年先を想像して気をもむのは「暇人のやること」だと、釘を刺すことも忘れない。大事なのは、今を懸命に生きることなのだ。
会社にしがみつくのではなく、自分で人生をデザインする。他人との差別化を図り、「遊ぶ」「働く」「学ぶ」を一体化する。そんな生き方も悪くないと思わせてくれる。=朝日新聞2018年5月5日掲載