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「合理的選択」が導く民主化

議会の進化 立憲的民主統治の完成へ 著者:ロジャー・D.コングルトン 出版社:勁草書房 ジャンル:社会・時事・政治・行政

価格:7776円
ISBN: 9784326504169
発売⽇: 2015/10/29
サイズ: 22cm/450p

合理的な行動様式を持つ統治者と非統治者とがどのような議会を生み出し、それが変化し、普通選挙にまでつながっていくのかについて、理論的な仮説を描き出し、その妥当性を中世ヨーロ…

評者:諸富徹 / 朝⽇新聞掲載:2016年01月31日

議会の進化―立憲的民主統治の完成へ [著]ロジャー・D・コングルトン

 本書は、王政から議会制民主主義への移行という統治構造の変化に対し、首尾一貫した理論的説明を与える試みである。
 本書が採用するのは、「合理的選択」という視点だ。合理的な個人が、利己的な視点からより合理的な制度・ルールを選択し、合意形成を図る結果として、民主的な制度進化がもたらされる。しかも著者は、歴史データに基づく定量的検証で、この理論の妥当性を「証明」しているのだ。
 本書の議論が面白いのは、時代とともに「権力の分有/民主化」と「社会制度の効率化」が進む、と結論づけている点である。たしかに王は、王政の永続を願うからこそ、より有能な貴族への権限移譲に同意する。また、より多くの税収をあげたいからこそ、納税者に参政権を与え、統治への参加を促す。これらはみな、当事者の合理的な選択なのだ。
 「統治構造の進化に関する一般理論」を打ち立てようとする野心的な試み、新しい研究分野を拓(ひら)く画期的業績といえる。
    ◇
 横山彰・西川雅史監訳、勁草書房・7776円