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色の鮮烈さ、人の探求心と知恵

日本の色の十二カ月 古代色の歴史とよしおか工房の仕事 著者:吉岡 幸雄 出版社:紫紅社 ジャンル:芸術・アート

価格:2484円
ISBN: 9784879406118
発売⽇:
サイズ: 21cm/283p

伏見稲荷大社の朱塗りの鳥居、万葉集に詠われた紫の秘密…。京都で数少ない古代染めを生業とする吉岡幸雄が、一年を十二月に区切り、歳時記風に日本の染色について語る。カラー写真も…

評者:三浦しをん / 朝⽇新聞掲載:2014年08月31日

日本の色の十二カ月―古代色の歴史とよしおか工房の仕事 [著]吉岡幸雄

 著者は、江戸時代からつづく京都の染屋さんの五代目だ。天然染料を使って布を染めると同時に、伝統染織の研究にも打ちこんでいる。
 その成果を、素人にも親しみやすいよう、季節にわけて綴(つづ)ったエッセーが本書だ。カラー写真も多数掲載され、眺めるだけでもうっとりする。
 さらに、著者の知識が半端ない。歴史、文化、行事、植物など、語られる範囲は多岐にわたる。たとえば、徳川吉宗は染色工房を作って、古い技法を再現しようとしたとか。「へえ!」と興味を引かれるエピソードばかりだ。しかし、著者の筆致は穏やかかつ淡々として、決して知識の「ひけらかし」感はない。
 古代の庶民がどういう色の衣を着ていたのか、団栗(どんぐり)で実際に染めてみる項もわくわくする。どんな染めかたをして何色になるかは、読んでのお楽しみ。「色」というものの鮮烈さ、それを生みだす植物の懐の深さ、うつくしい色を求めつづけてきた人間の探求心と知恵のすごさを実感することができた。
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 紫紅社・2484円