1. HOME
  2. 書評
  3. 野宿者3%の声をきく

野宿者3%の声をきく

女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学 著者:丸山 里美 出版社:世界思想社 ジャンル:社会・時事・政治・行政

価格:3024円
ISBN: 9784790715931
発売⽇:
サイズ: 20cm/289p

女性ホームレスの知られざる生活世界に分け入り、個々の生活史や福祉制度の歴史から、女性が社会的に排除される過程を浮き彫りにするとともに、自立を迫る制度の前提にある主体とは何…

評者:朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年06月09日

女性ホームレスとして生きる 貧困と排除の社会学 [著]丸山里美

 野宿者全体のうち、女性は3%という。著者は10年以上にわたり女性ホームレスを調査、周囲との関係の中で、野宿を続けるか否か迷う彼女たちの声を丁寧に拾ってきた。著者によれば、これまでのホームレス研究の対象は男性が中心で、彼らの主体性や、野宿者排除に対する抵抗に注目するものが多かった。こうしたホームレス像に対し、著者は「一貫した自立的な意志のもとに、合理的に行為を選択していく主体が前提とされてきたのではないだろうか」と疑問を投げかけ、主体とは「長いプロセスのなかで現れてくるもの」ではないかという。「はじめに」では、研究過程での著者自身の迷いを率直に吐露している。
    ◇
 世界思想社・2940円