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「紅の党―習近平体制誕生の内幕」書評 中国共産党の実態に迫る

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2013年02月17日
紅の党 習近平体制誕生の内幕 著者:朝日新聞中国総局 出版社:朝日新聞出版 ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション

ISBN: 9784022510297
発売⽇:
サイズ: 19cm/235p

紅の党―習近平体制誕生の内幕 [著]朝日新聞中国総局

 中国では、わいろなどの不正収入を得た幹部が、妻や子、資産を海外に移すことを指して「裸官」という。幹部だけが国内に残るからだ。2008年までの10年余に海外に逃れた政府や国有企業の幹部は1万6千~1万8千人にものぼるという。
 「中国数千年来の政治の伝統」といわれるコネ人事。ある地方の上級幹部のうち、親族に同レベルの階級の幹部がいるのは半数近くにも達したという。
 「私はいつか天子になる」と豪語していた薄熙来が、妻が英国人を殺害した容疑で失脚した。この事件を入り口に、習近平体制の成立に至る指導部の暗闘まで、中国共産党の実態に迫る。本紙連載に加筆した。
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 朝日新聞出版・1365円