諏訪哲史「スワ氏文集」書評 東海3県はどこが一番か
評者: 朝日新聞読書面
/ 朝⽇新聞掲載:2013年01月13日
スワ氏文集
著者:諏訪 哲史
出版社:講談社
ジャンル:エッセイ・自伝・ノンフィクション
ISBN: 9784062181099
発売⽇:
サイズ: 19cm/218p
スワ氏文集 [著]諏訪哲史
あるときは、みやあみやあとした名古屋弁で、またあるときはでたらめな漢文古文を繰りだして、なんとも自由奔放な文体で「どうでもいい事がら」をつづってゆく。芥川賞作家による本紙名古屋本社版の連載エッセー。東京開催の次は京都、美術展のナゴヤ飛ばし問題。ずれ落ちてくるマスクを手を使わず顔の筋肉で持ち上げるワザ。マフィンはなぜ紙まで食べてしまうのか。東海3県はどこが一番かをめぐる戦争……。「世の中にある、なるべく無意味な物事をこそ主題に選び、死力を尽くして書くべし」。著者の恩師である故種村季弘の教えを守りつつ、震災後の日本から感じ取るごまかしには、嫌悪をまっすぐつきつける。
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講談社・1575円