「汚い」「怖い」「臭い」……。まるで“自然界の3K”と言わんばかりに、私たちはカビに対してネガティブなイメージを抱きがちです。食べ物の表面にポツポツと現れる斑点状のカビやお風呂場の黒カビは、梅雨の時期には特に歓迎したくないもの。
一方で、醤油や味噌などを作るコウジカビや、ペニシリンの精製に欠かせないアオカビなど、私たちの生活に役立つカビの存在にはあまりスポットが当てられません。
そんな誤解の多いカビを正しく理解してほしいという願いから生まれたのが、この「カビ図鑑」。「カビの見た目なんて悪いだけ」と侮るなかれ。顕微鏡で拡大してみると、カビの細胞にはガラス細工のように美しいものもあります。
こうした知られざるカビの姿を拝むことはもちろん、自然界における「分解者」としてのカビの重要な役割を学ぶことができるのがこの一冊です。
さらに、水の中や土の中のカビを捕まえる実験、カビ写真の上手な撮り方など、カビをより深く知るための術も収録。夏休みの自由研究の参考としてもおすすめです。