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刑罰の社会的コスト

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2012年01月15日
刑務所の経済学 著者:中島 隆信 出版社:PHP研究所 ジャンル:法学・法律

ISBN: 9784569801612
発売⽇:
サイズ: 19cm/235p

300円の万引きの後始末には130万の税金がかかっている。裁判所や刑務所に任せさえすれば、犯罪者は本当に更生・社会復帰できるのか。犯罪抑止力として、社会復帰のための施設と…

刑務所の経済学 [著]中島隆信

 300円のパンを万引きして逮捕、裁判を受け、6カ月服役したら130万円の税金を使うという。果たしてこれは社会全体にとって「割に合う」のか。刑罰の犯罪抑止力はよく論じられるが、刑罰の社会的コストについても実証研究をすべきではないか、と主張する。
 受刑者の更生の度合いを刑務所や刑務官の評価に反映させる、障害者作業所の仕事を奪いかねない刑務作業にきちんと賃金を払うなど、具体的な提言も。
 弱者を社会から排除するのは経済学的にも得策ではない、経済学的な視点を欠いた司法は持続可能ではない、という。徹底的に損得から考える姿勢が新鮮だ。
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PHP研究所・1470円