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「野口久光シネマ・グラフィックス」書評 映画の黄金時代の香り

評者: 朝日新聞読書面 / 朝⽇新聞掲載:2011年07月31日
野口久光シネマ・グラフィックス 著者:野口 久光 出版社:開発社 ジャンル:芸術・アート

ISBN: 9784759101324
発売⽇:
サイズ: 26cm/203p

野口久光シネマ・グラフィックス [企画・監修・編集]根本隆一郎

 映画やジャズ、ミュージカルの評論家としても知られる野口久光(1909~94)だが、ポスターデザイナー、グラフィックデザイナーとしての側面に光をあてた1冊だ。表紙の「大人は判(わか)ってくれない」を始め、「制服の処女」「望郷」「第三の男」など数々の傑作映画ポスターがカラーで紹介されているのが圧巻。
 石原慎太郎、大林宣彦、児玉清、立川談志、仲代達矢、松本幸四郎、宮城まり子、山口淑子、山田宏一、横尾忠則の各氏の寄稿も読ませる。児玉さんは「映画のインパクトよりも野口久光さんポスターの印象の方がより鮮明に心に焼きついている」と書いた。映画の黄金時代の香りが満ち満ちている。