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顧客と未来を起点に 社員を大人扱い

NETFLIXの最強人事戦略 自由と責任の文化を築く [著]パティ・マッコード

 世界最大級の動画配信サービスを提供するネットフリックス。その最高人事責任者を務めた著者が試行錯誤の末、到達した先進的人事戦略の全容が綴られる。その特質は、「新しい働き方」として「自由と責任の文化」を貫き、「顧客」と「未来」を起点する発想に徹していることだ。
 「将来のビジョンを出発点として理想のチームをつくる」ためには、過去に「多大な貢献」をした人でも、「もっているスキルが会社に必要でなくなれば」、解雇する。「無情」と思われても、理想のチームは「顧客に喜びを与える」ためにあると位置づける。
 高給を用意するが、「自分のキャリアを自分でコントロール」することを求め、「会社として従業員のためにキャリア開発をすることはない」と断じる。社員には「定期的に他社の面接を受けることを奨励」する。人事考課も経費規定もない。休暇も自由裁量。
 要は、「一人前の大人」扱いし、過度の介入は行わない。
 米国企業でさえ「実行することが難しい」と語るが、ネットフリックスが人事の概念を破ったことは、飛躍的成長と無縁ではないだろう。翻って日本の働き方改革。社員をもう少し大人扱いする試みもあってもいいかもしれない。=朝日新聞2018年10月6日掲載