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吉増剛造さん、思索と詩作の旅 ドキュメンタリー映画、7日間限定公開

「幻を見るひと」から

 詩人の吉増剛造さん(79)が京都を旅し、思索と詩作に耽(ふけ)るさまを追うドキュメンタリー映画「幻を見るひと 京都の吉増剛造」が24日から公開される。
吉増さんは東日本大震災後、被災地を訪ね、衝撃を受けた。詩人の城戸朱理さんがそんな吉増さんを京都への旅に誘った。夢幻のように美しい庭園を持つ真澄寺別院流響院や狩野探幽の「雲龍図」のある妙心寺などで悠久の時間を静かに過ごす。
 監督は井上春生さん。吉増さんのひょうひょうとした語りを生かしつつ、ツッコミのようなテロップを付けるなどユーモアも交え、洗練された映像でテンポ良く構成。吉増さんが過去の作家・詩人と交感しながら詩作を深めていくさまを描いた。実験映画の父といわれるジョナス・メカス氏も「美しすぎるドキュメンタリーだ」と称賛した。
 東京・恵比寿の東京都写真美術館ホールで、24、25、27~30日、12月2日の7日間限定。時間などは公式サイト「幻を見るひと」(https://www.maboroshi-web.com/)で。(赤田康和)=朝日新聞2018年11月21日掲載