学業よりバイトを優先せざるを得ない「ブラックバイト」の名付け親である教育学者、大内裕和・中京大教授が、日本の教育の現状について5人の知識人と論議した『ブラック化する教育 2014―2018』(青土社・1944円)。話題は奨学金の返済に苦しむ若者、小学校の2分の1成人式、中高の部活動と広がるが、バブル崩壊、新自由主義の政策と関連づけて考えると、バラバラに見えていたことが実はつながっていることが見えてくる。
ゆとり教育を教育のなかだけで論じてしまったことは「重大な誤り」であり日本型終身雇用の解体と連動してとらえるべきであった、若者の貧困の拡大は将来の軍事動員への道筋かもしれない、など示唆に富む発言がぽんぽん飛び出す。
著者は「年々大学生が貧しくなっている」とブラック化が深刻化する予兆も感じている。読めば読むほどいかにブラックな流れに漬かっているかを突きつけられ、ため息が出るが、子供の未来のために何をすべきかを考えるヒントにしたい。(久田貴志子)=朝日新聞2019年2月23日掲載
編集部一押し!
-
カバンの隅には 経験と作品 澤田瞳子 澤田瞳子
-
-
朝宮運河のホラーワールド渉猟 幸せなコミュニティに潜む闇 閉ざされた町や村を舞台にしたホラー小説の収穫3点 朝宮運河
-
-
一穂ミチの日々漫画 原作・小川哲、作画・野田彩子「君のクイズ」 緊張感と色気を孕んだ絵柄、クイズと人間のドラマの魅力を際立たせる(第12回) 一穂ミチ
-
えほん新定番 えのもとえつこさんの絵本「ふみきりくん」 一生懸命に働く姿、子どもたちが社会を知る窓に 加治佐志津
-
谷原書店 【谷原店長のオススメ】児島青「本なら売るほど」 本を起点にひろがる人間ドラマに感銘 谷原章介
-
トピック 【PR 光文社・創英社・みすず書房・ミネルヴァ書房】プレゼント 朝日新聞1面広告の本、好書好日メルマガ読者計20名様に 好書好日編集部
-
トピック 【PR 光文社・創英社・みすず書房・ミネルヴァ書房】プレゼント 朝日新聞1面広告の本、好書好日メルマガ読者計20名様に
-
コラム 「海をわたる言葉 翻訳家ふたりの往復書簡」中江有里さん書評 出逢いの不思議が生んだもう一つの〝家族〟 PR by 集英社
-
トピック 【プレゼント】柄谷行人さん最新作「私の謎 柄谷行人回想録」好書好日メルマガ読者10名様に PR by 講談社
-
インタビュー 平石さなぎさん「ギアをあげて、風を鳴らして」インタビュー 描いてわかった「シスターフッド小説」の魅力 PR by 集英社
-
インタビュー 江國香織さん「外の世界の話を聞かせて」インタビュー 頭の風通し良く、気持ちさっぱり自由になって PR by 集英社
-
インタビュー 【サイン入り本プレゼント】一木けいさん「嵐の中で踊れ」インタビュー 避難所で起きた再生の群像劇 PR by NHK出版