- 20位「蒼穹の昴」(浅田次郎)
- 20位「日本の経済格差―所得と資産から考える」(橘木俊詔)
- 20位「チェルノブイリの祈り」(スベトラーナ・アレクシエービッチ)
- 20位「逝きし世の面影」(渡辺京二)
『蒼穹の昴』(浅田次郎、講談社、1996)
この物語を書くために私は作家になった。――浅田次郎 汝は必ずや西太后の財宝をことごとく手中におさむるであろう──。 中国清朝末期、貧しい農民の少年・春児(チュンル)は占い師の予言を信じて宦官になろうと決心した。(講談社ウェブサイトから)
・初版本の帯に「私はこの作品を書くために作家になった」と書いている。中国本国ではあまり作品化されていない清朝末期を舞台にしており、著者はその後も続編といえる作品を書き続けている(青木奈緒、文筆業)
・作家が己の力のすべてをふり絞った、雄々しき物語である(細谷正充、文芸評論家)
『日本の経済格差―所得と資産から考える』(橘木俊詔、岩波書店、1998)
バブル期に土地・株式が急騰したこと、低成長に入って所得が上昇しないこと、などから「1億総中流」に象徴される社会の平等・安定意識は揺らいでいる。時代の推移のなかで、そして国際比較の上で、格差の拡大を統計データによって詳細に検証し、その経済的メカニズムを明らかにしながら、税制や、教育・企業システムなどの課題を示す。(岩波書店ウェブサイトから)
・平成における経済格差問題に、経済学の立場から最初に問題提起した書。この書に端を発して、格差問題が巷間でもクローズアップされるようになった。格差の原因について、経済学界での論争に火をつけた書でもある(土居丈朗、慶応義塾大学教授)
・大部分の日本人が「一億総中流」を信じていたなかで、日本の経済格差は拡大しており、国際的にみても小さくないという事実を示した本。一部で統計の使い方に問題があることも指摘されたが、その歴史的意義は大きい(橋本健二、早稲田大学教授)
『逝きし世の面影』(渡辺京二、葦書房、1998)
昭和を問うなら開国を問え。そのためには開国以前の文明を問え……。幕末から明治に日本を訪れた、異邦人による訪日記を読破。日本近代が失ったものの意味を根本から問い直した超大作。(平凡社ウェブサイトより)
・既成の陰鬱な前近代観を突き崩し、日本の近代が失ったものの意味を根底から問い直した力作である(井波律子、中国文学者)
・日本社会の近代とそこに生きた人々、時の流れを見つめる視線に、深さと優しさがあり、感動を呼ぶ。これからの日本社会を考えるためにも読み継がれるべき名著(蜂飼耳、詩人・作家)
『チェルノブイリの祈り』(スベトラーナ・アレクシエービッチ、松本妙子訳、岩波書店、1998)
1986年の巨大原発事故に遭遇した人々の悲しみと衝撃とは何か。本書は普通の人々が黙してきたことを、被災地での丹念な取材で描く珠玉のドキュメント。汚染地に留まり続ける老婆、酒の力を借りて事故処理作業に従事する男、戦火の故郷を離れて汚染地で暮らす若者。四半世紀後の福島原発事故の渦中に、チェルノブイリの真実が蘇える。(岩波書店ウェブサイトから)
・2015年度ノーベル文学賞を受賞したベラルーシの記録文学作家の代表作。チェルノブイリ原発事故の多くの被災者に徹底的に寄り添って書かれた記録文学の傑作。原発事故によって人類が未曾有の大惨事の時代に入ったことを告げる作品として、人類史上画期的(沼野充義、ロシア文学者・東京大学教授)
・ジャーナリストの作品として初めてノーベル文学賞を受賞した。原発事故が人間の身体だけでなく、その実存をも揺さぶることを世界に示した。福島はまだこれに匹敵する作品を生みだしていないのではないか(上丸洋一、朝日新聞記者・元朝日新聞書評委員)
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